患者さんやご家族の満足度を考えたときに、セカンドオピニオンが重要なテーマになってきます

これまでにも幾度か要望されたことがあります

また時には他の病院にかかられている患者さんのご家族から相談を受けて、セカンドオピニオンをお勧めしたこともありました

 

そのこととは別に、現実に介護されているご家族との間では今後のことの一致ができているにもかかわらず、遠くのご家族がやってこられてそれまでの方針へのご意見をいただくことがあり、その際には介護者さんが戸惑われることもありました

 

コミュニケーションの難しさ、みんなとの意思統一の大変さを日々実感しています

 

少し前の話になりますが、終末期を迎えられた患者さんの往診を行なっていました

ふたりの娘さんたちは自宅で最期を看取りたいとの気持ちを固められ、一生懸命介護をされていました

不安もいっぱいだったと思います

それでもふたりで励まし合いながらどちらかが必ずそばに付き添っていました

ある日、患者さんのきょうだいが来られ、「こんなに大変なのにあなたたちだけで看ていけるの? 入院はできないの?」と言われました

娘さんたちはその勢いに一瞬ひるんだようですが、やはりそばで看ていきたい、自分たちで世話をしたい、と望まれました

訪問看護師さんも彼女たちの思いを大切にしてくれて、支えとなることをきょうだいに話されたと聞きました

 

 

その出来事を振り返りながらつぎの話を思い出します

 

「故郷を何年も離れていたカリフォルニア在住の娘が、年老いた父親が病気になった時に、絶対にセカンドオピニオンを聞くべきと主張したため、老夫婦はそれに従ったのですが、なぜ自分がセカンドオピニオンを求めているかが理解できないので、医療を受けることに不安を感じてしまった」というお話です

これを“カリフォルニア娘症候群”と言うそうです

 

 

あらためてコミュニケーションの難しさを思います

 

日々精進ですね

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二日酔いの頭で休日の回診にでかけました

何日も食欲の出なかった患者さんが今朝はご飯を全部食べられたと聞き、疲れがいっぺんに吹き飛びました

 

その勢いで、私が以前働いていた“I”クリニックと地域の方々の「春まつり」をのぞきました

残念ながら模擬店の食べ物はほとんど売り切れ

大盛況だったようです

 

最近の事故などの影響もあり、消防署の点検も細かいようです

「火の元はもっと離して…」

などの指導

 

写真で雰囲気を感じてください

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とても賑やかでした

さいごは「福引き」です

みんな集まってきます

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「○○番の人はいませんか?」

“六等”から“一等”までの豪華賞品です

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見事一等に輝いたのは、この子でした!

商品は「5Kgのお米券」とのこと

よかったですね

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近くには公園もあり親子連れがたくさん

 

気持ちのいい午後でした

 

 

みなさんご苦労様でした

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よく晴れた土曜の午後

緩和ケア病棟に入院されている患者さんたちとお花見をしました

 

場所は病院からすぐのところにある公園

毎年多くの地域の方たちがお花見をされているところです

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こういう子も参加していました

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病棟のスタッフとボランティアさん、そしてご家族

外は暖かく、午前中に強く吹いていた風もやんでいます

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車いすに乗れない患者さんはベッドごとの移動です

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みんなの力で桜を目指します

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到着しました!

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最初はしりごみされていましたが、満開の桜のもとでは満面の笑顔に…

 

ところで日本を代表する桜は……ソメイヨシノですね

ソメイヨシノは接ぎ木で増やしたそうです

ということは、すべて同じ家系、クローンです

なのでDNAは同じ

だから地域によっての温度差はあるものの、一斉に咲いて、一度に散るのでしょう

 

 

静かな土曜の午後

心が洗われる時間でした

 

 

 

私がずっと以前にお会いした、ある比較的若いご夫婦のお話です

 

奥様は40歳代で癌がみつかりました

半年前から時々腹痛を自覚していましたが、食べ過ぎとの自己判断ですませていたようです

ところがある日、買い置きの胃薬では治まらない腹痛に襲われました

翌日病院で検査です

 

検査をしている医師の顔が一瞬曇ったように見えました

――いやな予感がしました

 

検査を一通り終えて外来での診察です

「よくないお話をしなければなりません。わかったことをすべてお聞きになりたいですか?」といきなり切り出されました

――今のお医者さんは隠すってことをしないようなのね

すべてを知らされてからのち、ご主人にこのように話されたそうです

 

おなかの中に癌がみつかりました

「まだ今なら手術が可能かもしれません」

「わかりました一度家に帰り夫と相談をしてきます」

「結論はできるだけ早い方がいいと思いますよ」

 

翌日、

ご主人に仕事を休んでもらってふたりで受診

「すみません、昨日のお話は上の空ではっきりと意識できなかったものですから、もう一度主人と一緒にお話を聞かせていただけませんか?」

医師は昨日よりもいっそう丁寧に説明してくれました

 

「手術をしなければ半年の寿命かもしれません。手術を受けられてうまくいけば3年はもつでしょう」

こう言われれば手術を受けざるをえません

1週間後に入院、さらに必要な検査をうけ3日後に手術となりました

 

それからは再発の予防ということで抗がん剤治療です

薬をのんでしばらくすると肌が荒れました

――私は見栄えはよくないけど、肌だけは自慢だったのに

夫にも申し訳ないわ

 

病気を治すため辛抱して治療を続けました

 

そして1年半が過ぎ…

ふたたびあの嫌な腹痛がおそってきたのです

再発でした

今度は手術も難しいと言われました

 

彼女は一晩中泣き明かしました

ご主人は何も言わず同じベッドで付き添ってくれました

 

医師からは入院を勧められましたが、彼女は自宅での療養を選択したのです

ご主人もその決断を支持してくれました

 

 

それからの半年間は時々襲ってくる痛みとのたたかいです

食欲も急激に落ちました

 

 

お二人には中学生の子供がいました

彼女の病気のこともきちんとふたりで説明し、子供はうなづいてくれたようです

 

ある日のこと

「お母さんの味噌汁じゃないと嫌だ!」

突然子供が叫びます

 

このときにはすでに病魔は進行し、彼女はベッドから起き上がるのがやっとで、家族の食事はスーパーで買ってくる惣菜や出前がほとんどでした

そのような食事に飽きたのか子供は母親の味噌汁がほしいと訴えます

 

ご主人は調理をすべて奥様にまかせていたので、とても困惑しました

――どうしよう?

 

奥様からご主人に声がかかりました

「起こしてください」

何をするんだろうとご主人

「キッチンに椅子を置いて…」

言われるとおりにしました

「あなたの肩をかして…」

ご主人は奥様がなにをしようとされているのかわかりました

「無理じゃないの?」

奥様はだまって首を横にふります

その眼には強い意志を感じました

 

ベッドからキッチンまでは10歩くらいです

ゆっくりとふたりで歩きます

「椅子にすわる…」

 

「ごめんなさい私ひとりではできないのであなたの手を借りますね」

それから奥様はご主人に一つ一つの段取りを教えました

「まずお湯を沸かして、それからお出汁をとって」

「お味噌はこれくらいがいいの」

「その間に冷蔵庫からお豆腐とお揚げをだして、これくらいの大きさに切ってくれる?」

 

とうとうお母さんの味噌汁の完成です

 

この出来事があってから毎日のように奥様はご主人の指導者になりました

ご主人も一生懸命

奥様も必死です

椅子に座っていられる時間もちょっとずつ短くなります

それでもレパートリーは増えました

「野菜炒め」「カレーライス」「炒飯」「マーボ豆腐」「ステーキの焼き方」「お魚の調理法」などなど

 

それから1か月後、奥様は一家の主婦としての仕事を見事に完成させてから旅立たれました

ご主人は奥様からの言葉をノートに全部書き留めました

今となっては大切なふたりの宝物です

 

 

今ご主人は子供を育てながら仕事をこなし、家でのこと(買い物から洗濯、掃除、料理、ゴミだし など)、様々な日常のことをこなされています

 

 

ご主人はいつも思い出すそうです

「あのふたりで台所に立って多くの話をしながら料理をつくったこと、とても楽しい日々でした。決して忘れません」

 

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「落合恵子講演会~福島・沖縄・そして憲法~」がありました

世の中で起きていることを広く知ることが大事だといつも思っており、何も用事のない休日の午後であることを幸いに参加してきました

落合恵子さんは私が受験生のときのラジオパーソナリティで、深夜おそく聴きながら勉強したことを思い出します

 

講演に先立って、

アイドルグループ「制服向上委員会」のミニコンサートがありました

なかなか過激な歌です

(感動して思わずアルバムを買ってしまいました!)

そのあと、東日本大震災避難者の会の方の訴えや若者の話、安保関連法に反対するママの会の話、名護市長からのメッセージなどどれも心を揺さぶられる内容でしたが、ここでは省略させていただきます

……スミマセン m(_ _;)m

 

 

落合恵子さんは「怒ることを忘れた社会は恐ろしい」という言葉からお話を始められました

以下メモしたことそのままに述べます(当然文責は私にあります)

 

・何かをしようとするとき、何かを選択するとき、7世代先の子供たちのことを考える というネイティブアメリカンの言葉

・佐藤祐禎(ゆうてい)さんの詩集「青白き光」からの引用

・いまこそ野党はひとつにまとまりましょう

「政党の違いがなくなる」との声に「なくなる違いならそんな違いはいりません」

・こんなひどい政権はいままでになかった

・メディアはもう少ししっかりとしてほしい

・「1024人の話」

私たちの先祖を10代先までさかのぼると1024人がいた

そのうちのひとりがいなくても私はいなかった

戦争はこの中の一人を殺す

ひとりだけではない

未来の命を、たん生前の命をこわしていく

・福島の被災者の方は「忘れないで」ってみんなに伝えてくださいと言いました

私たちに必要なのは、「忘れない」からスタートする新しい民主主義です

 

ほかにもいっぱいありました

聞いていて心が洗われる、そして力が湧いてくる

そんな講演会でした!

 

 

とても充実した休日を過ごすことができました

 

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