私たちの仕事はその日一日何がおきるかわからないことが多いのです

本来患者さんとはゆっくりと落ち着いてお話をし、診察をし、方針をたてるということが求められているのですが、実際にはままならないことがたくさんあります

 

ずっと前のことですがこのようなことがありました

 

土曜日の午前診でのできごとです

診察の終了時間が来ても、この日は患者さんがたくさんでした

カルテはまだ山のように積まれていました

介助の看護師さんもそわそわと落ち着きません

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そのようなとき隣の診察室から大きな声が聞こえてきました

「僕はこのあと○○に行く用事が入っているんだ。だからあなたの話にこれ以上付き合うことはできない!」

(○○の中身は自由に想像してください。仕事とは関係のないまったく個人的な理由でした)

「あとは□□先生(私のことです)に診てもらって…」

と部屋を出て行ってしまいました

 

私は別の患者さんを診察中でしたが、その方もあっけにとられていました

 

たしかに彼は今日の午後から大切な約束があると話していました

でもこのような対応は…

 

私もあとの用事があるときの外来はイライラすることがあります

しかし焦るといいことは何もありません

診断を間違えたり、患者さんとの関係が気まずくなったり

いつのころからか次のように考えることにしました

――外来診療は何時から何時までと決められており、必ず「終わり」がくるはずだ

それからは焦ることが少なくなりました

 

またこんなこともありました

今度は私の経験です

20代のころでした

 

入院中の終末期を迎えた患者さん

不安がいっぱいで訴えも多彩です

最初は一つ一つの話に付き合っていましたが、そのうちに次の予定のことが気

にかかりうわの空になっていきました

気付くと顔は患者さんに向けているのですが、足はドアの方に向いています

(立ったままで話をしていました)

あとで申し訳ないことをしてしまったと大いに反省です

 

最近読んだ本に以下のようなことが書かれていました

(題名は「スピリチュアル・コミュニケーション」著者は岡本拓也先生)

――ゆっくり丁寧に仕事をしたほうが、むだな動きをしないですみますし、的確な仕事ができます

――せっかちに業務を果たすことで、私たちは、自分がしている仕事に、深い喜びや満足を感じられなくなってしまうのです

――今の仕事、目の前の患者さんに、常に100%の力を向けること

 

耳に痛い、また胸に響く言葉です

 

「忙しいからこそゆっくりと」を心がけたいものです

そのためには心身の状態も最善に保つ努力も必要ですね

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少し寒さの和らいだ土曜日の午後

2回目のドッグセラピーのおためし会がありました

はじめは遠慮されていた患者さんも実際に触れ合うとうれしそうです

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少し意識状態がよくない患者さんもかわいい犬がやってくると反応がよくなり、ご家族も喜ばれていました

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小さなご家族もこのとおり…

 

私は患者さんの対応で同席できませんでした

残念です

でもどうぶつたちと触れ合うひととき

とっても癒されます

継続していきたいと思っています

 

話はかわりますが

当院の裏にはネコが出没

おいしいものを食べさせてもらっているのか栄養満点の姿

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こちらの姿をみるとすぐに逃げていってしまいます

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テレビでつぎのような話をしているのを思い出しました

 

“ネコは目を合わせると相手は敵だと思って逃げていきます。しかし目を伏せて3秒間、そうするとじっとその場所に留まってくれます”

 

その通りにしてみました

すると…

 

たしかに目の前のネコは逃げていきません

感心しました

 

けれど触ろうとすると、やっぱり怒って逃げていきました

 

動物と仲良くなるのは難しいですね

当然人間もですが・・・

 

 

日常の様々なことを記していこうと始めたブログですが、勉強してちょっとずつ賢く(?)なってくると、書きたいことはたくさんあるのにこんな内容でいいのだろうかと躊躇してしまい、筆が進みません

 

先日このような悩みをある人に話をしたところ、「ふだんの病棟の出来事を載せればいいと思いますよ」と言っていただきました

 

もういちど最初の気持ちに帰って継続していこうと思っています

 

少しでも関心がある方

引き続きお付き合いをよろしくお願いいたします

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先日医学部の学生と話す機会がありました

彼はまだ低学年ですが、しっかりとした意見をもっていることに感心しました

 

「電子カルテの画面ばかりを見て、患者の顔を最後まで見なかった医師がいると聞いた」

「検査の結果にとらわれて、診察がないがしろにされていることがあるという話も聞いた」

など問題意識はいっぱいです

私にとっても耳の痛い話でした

 

自分がその場面に遭遇したのか聞くと

「家族がそのような経験をして、おまえはそんな医者にはなるんじゃないよと言われた」のこと

 

そこから話がはずみました

私も一つ経験をしゃべりました

 

高血圧で定期的に通院中の患者さん

ある日腰が痛いと訴えられました

――年もとっているので腰椎の変形かな

整形外科は今日は診察があったかな

などと思いを巡らしながら胸、背中と聴診していきます

お腹も異常は見られません

念のためと思い腰を見せてもらったところ……

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みごとな帯状疱疹でした!

 

全身をしっかりと診ないといけないね、と医学生と意見が合いました

 

彼は様々な方面に興味をもち、積極的に自ら出かけていくタイプのようです

この間は何人かの医学生たちとディスカッションをする集まりのリーダーをしていました

テーマは“スピリチュアルペイン”

 

緩和ケア病棟に入院されている患者さんとの面談も経験し、そこから多くのことを学んだようです

 

「とても難しいですね」

 

――医学生に簡単にわかるのならこちらの立場はないよ

と心で思いながらも

「そうだね」と相槌

 

 

将来の緩和ケアを担ってくれる人材になればいいなあ、と思いながら握手をして再会を誓いました

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私たちの病院は日頃の医療活動を広く知っていただこうと、“ほっと通信”という広報誌を定期的に発行しています

発行にたずさわっているのは全員職員です

とても素人(…スミマセン124-01)とは思えないほどの出来栄えで、毎回楽しみにしています

このたびは見開きのページに「緩和ケア病棟開設から1年半を振り返って」と題して、様々な行事の写真とそれぞれの職種からのコメントを載せてきれいに仕上げていただきました

担当されたみなさんありがとうございました

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毎回思っていますが、今回のものは永久保存版にしたいほどです

その左下に私のあいさつを書かせてもらっています

あらためてここに再掲させてもらいました

 

 緩和ケア病棟がスタートして1年半になります。

 この間多くの病院と診療所の先生方からご紹介をいただき有難うございました。また困ったときに先輩たちからのアドバイスに励まされました。

 同時にボランティアをはじめ医療生協組合員の皆様方の支援もいただきました。

 なによりも患者様・ご家族様と過ごした一日一日が、私たちにとってとても大切なものになっています。

 2016年春には念願の医師二人体制となりゆとりも生まれ、日常をリアルタイムに知らせようとはじめたホームページ上のブログを冊子にして第二集まで発行しました。

「このような病院がもっとあればいいのにね」と話してくださったご家族様、「知り合いが入院してそのご家族から勧められました」と面談時に言われた患者様、「ブログを見て決めました」と来られた方、このような人たちの期待に応えていかなければと気持ちを引き締めている毎日です。

 駅から歩いてこれること、差額ベッドがないこと、チーム医療にこだわっていることが私たちのささやかな自慢です。

 これからも一層のご支援よろしくお願いいたします。

 

“ほっと通信”は病院の待合室に置いています

またお世話になっている病院や先生方にもお送りしています

患者さんや職員から好評なご意見をいただいています(自画自賛でしょうか?)

 

バックナンバーは病院のホームページにも載せています

関心のある方はぜひご覧ください

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