私たちが準備を進めている緩和ケア病棟では、ほとんどの施設がそうであるようにがんの患者さんが対象です。

がん検診の是非に関しては様々な議論が行われていますが、実際にがんと診断された患者さんやご家族と話をしていると、進行した状態で発見されるよりも早期に診断されたほうがはるかにメリットが多いと感じています。

ある検査や治療法についてEBMに基づき予後に優位差がないと言われていても、一人ひとりの患者さんのこれからの人生を考えるとEBMから判断された方針を提示することに説得力をもたせることはなかなか困難です。

そういう理由で私たちは医療生協の組合員さんたちに積極的に健診を受けていただく運動をすすめています。そのために健診料金をできるかぎり抑えたり、何人か集まれば送迎を行ったりと様々な工夫をしています。

しかし、みずからすすんで健診を受けようという意識の高い人は多くありません。「胃カメラは苦しいと聞いている」「症状もないのにわざわざ病院にいく時間がとれない」など理由はいくらでもあります。

たしかに病院は一種の「ブラックボックス」です。そこでは何が行われているのかわからない、意味不明の言葉を医師や看護師が使っている、検査は痛いのじゃないかなどなど。

そこで私たちは健診ってどんなもの? どのような検査が行われているの? 医師の診察って? などの疑問に答えようとDVDの作成に取りかかりました。

もうすぐ完成の予定です。撮影も登場人物も病院の若手職員(大半は20歳代)中心です。彼・彼女たち感性に驚いています。

出来上がれば病院のホームページにもアップする予定です。

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10月19日、阪神タイガースが日本シリーズ進出を決めた翌日!

空は快晴で気分よく病院周辺の医療生協組合員さん宅の訪問活動に参加しました。

 

病院への要望をお聞きし、緩和ケア病棟建設と12/14の市民講座のお知らせをし、健診へのお誘い……

延べ130人以上の組合員と職員の参加がありました

私は午後から参加です

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参加者の打ち合わせ

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午前の参加者には昼に特製カレーでおもてなし

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チームを組んで訪問

「お元気ですか? 今度緩和ケア病棟が…」

若い職員も一生懸命訴えます

 

この取り組みではたくさんの教訓を得ることができました

病院への率直な苦情も今後の改善のためには大切な宝物です

 

独りよがりの医療にならないためにも、まとめをしっかりと行います

 

 

神戸協同病院では医療、看護、介護の分野に関わる職員で認知症の学習会を続けています。

医療生協組合員さんたちの認知症予防の取り組みがねばり強く行われ、相談相手としての職員への期待や要望が出されていました。また日常の患者さんとの付き合いでも認知症への理解と対応が求められる場面が少なくありません。

このような状況のなか、関心をもっている職員へ呼びかけ定期的な学習会を積み重ねてきました。

一冊の書籍を分担して読み終え、症例検討を行い、地域で実践している人や「認知症の人と家族の会」からのお話を聞かせていただいています。

 

このたび「ユマニチュード」について勉強しようということで集まりました。認知症の人のケアをするため、フランスのイブ・ジネスト氏とロゼット・マレスコッティ氏の二人によって開発されたそうです。

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分かりやすく書かれた本です。DVDもあります。

ここに詳細を述べるよりも実際に読んでいただいた方が理解できるでしょう。

 

ユマニチュードの4つの柱を学びました。

人としての尊厳を取り戻すためには『見る』『話す』『触れる』『立つ』ことの援助が必要だと述べられています。

緩和ケアにも通用することが多い内容だと思いながら報告者の話を聞いていました。

 

次回は12月ごろに、より実践的な勉強をする予定です。

医療・介護の従事者で関心がある方はぜひご参加ください。

いつごろ出会ったのかは忘れました。

とても素敵な絵本です。

 

阪神淡路大震災でふたごのお子さんのうちのひとりを失くされたお母さんと東日本大震災の津波で長男が今も行方不明のお母さんが出逢い、絵本ができました。

 

読みながら何度涙を流したことでしょう。

阪神淡路大震災で多くの方の死亡を確認し、被災された方々の医療にたずさわり、在宅で療養中の患者さんの安否確認をしました。

そのときの全国からの支援に応えるためにも2011年仙台に応援に行き、津波に合われた方からつらいお話を聞きました。

そのことを思い出しながら何度もなんども読み返しました。

 

―守ってあげられなくてごめんね。

助けてあげられなくてごめんね。

一人ぼっちで行かせてごめんね。

ママが、生きていてごめんね。

 

そして、今でもそばに行ってあげられなくてごめんね。

 

―大切な子どもを失ったママたちとの出会い。

「しょうくんのママ」として存在できたみんなとの時間。

 

泣いて悲しむことだけが、

しょうくんを想う方法ではないと教えてくれた友達。

そして、今を一緒に楽しんでくれる友達。

 

元気になっていく自分を責めた時期もあったけれど、

今なら、元気になった自分を素直に受け入れることができるよ。

みんながいてくれたから、

心から笑うことができる私に戻ることができた。

 “優しいあかりにつつまれて”(たかい ちづ  たけざわ さおり)より            

…悲しみの深さ

…一瞬の幸せ

…成長をつづける日々

 

ぜひ多くの人に読んでいただきたいと思います。

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今回は「嘔気嘔吐の治療薬」と「食欲不振の治療薬」について学習しました。

話が盛り上がったのは中枢性制吐剤の副作用としての錐体外路症状のこと。日常的に吐き気止めとして処方されている薬でパーキンソン症状を経験することは少なくありません。知っているか知っていないかで大きな違いが現われます。

 

つぎに話題となったのは、食欲低下時のステロイドの役割に関してでした。

 

ここで私の経験を少し…

――以前にある病気で入院しました。39度をこえる高熱が続き体も衰弱していました。検査ではほとんど異常はなく、最終的にある疾患を疑い治療を開始しました。その時の薬がステロイドでした。

プレドニゾロン50mgでスタート、翌日には嘘のように熱がさがりました。数日するとまず無性に空腹感を覚え、日中に買っておいたおにぎりを消灯時間が過ぎてからベッドの上で食べるようなことがありました。あるとき巡視の看護師さんに見つかりましたが、そのとき彼女はニコッと笑ってうなずくだけでした。つぎに夜寝つきが悪くなり、そのときには安静にしているからだと思っていましたが、のちにステロイドによる不眠の影響もあるのだと知りました。ステロイドはゆっくりと減量され、食欲の異常な亢進状態はなくなりましたが、こんどは仕事を休んでいることへの罪悪感と「早く現場に復帰したい。元気になった今なら何でもできる」というような気分の高揚感が訪れました。

これらのことはおそらくステロイドによる作用だと考えられます。

――貴重な体験ができたと思っています。

 

このようなことを若い薬剤師さんたちに話ました。

 

医療従事者がみんな病気を経験しなさいと言うつもりは毛頭ありませんが、突然の病気にみまわれた人の苦痛や不安感、希望などについて少しでも考える機会にはなったと思っています。