私たちは亡くなられた患者さんを思い出しながらときに振り返りを行っています
お付き合いの時間の長短はありますが、そのどれもが貴重です
振り返るとどうしても悔しかったこと、できなかったことに気持ちが向かいますが
こんないいことがあった、このような学びがあったなど次につなげられるような話し合いを意識しています
ご家族の力を借りながら
患者さんの希望であった外出と喫煙が実現できた
短期間であっても退院ができ
友人たちに会ってたくさん話ができた
長い間会えなかったご家族と面会ができ
わだかまりが解消できた
コロナ禍で限られた面会時間であっても
毎日のご家族の面会で患者さんが安心され
スタッフともしっかりと話ができた
などなど
きりがありません
最近は昼のカンファレンスの時間を活用して振り返りを行ったり(デスカンファレンスといわれています)
さらには堅苦しい話ばかりじゃなく、みんなで患者さんやご家族との思い出を共有しよう
との計画もされています
私もその話し合いに参加させてもらっていますが
主治医としての反省ばかりが思い出されます
看護師さんたちの言葉を聞いていると
お互いのケアを認め合い、ねぎらっています
私は反省が多くなっています
・もっとできることがあったのでは・・
・患者さんやご家族の思いをもっと聞いていれば・・
後悔や自責の念が表れてしまいます
ある書物によると
自責の念に向き合うときつぎの3つをちゃんと区別することであると書かれていました
- 残念だったこと
- 今後に生かすべきこと
- 反省すべきこと
です
そして医療の現実と向き合うことが必要です
また別の本で述べられていることを引用します
*カンファレンスで一番大切にしていることーーー「癒し」の場であること
医療者のグリーフケアが不可欠
*報告は
詳しい病歴よりも、印象的なエピソードや苦労した点などを紹介
最期の場面を共有
*カンファレンスを進める中で
「~したほうがよかったのでは?」⇒ケアの質を改善したいとの前向きな気持ち
できていたことを積極的に認めてねぎらう
無理に結論を出さない
*医師のスタンスについても書かれていました
「多職種が医師のスピリチュアルペインに共感することで医師は救われる」
一方
「医師の思い込みや独りよがりをカンファレンスでそっと気づかせる」
「医師からスタッフへの感謝の言葉――大変なケアを投げ出さずに続けてくれて感謝しますーーで苦労が報われる」
⇒とても心に響きました
*構えずに「お茶を飲みながら(笑)患者さんをしのぶ」ことも大切です
先日偶然本の著者と同席させていただくことがあり、「先生の書かれた本で勉強しています」とごあいさつをさせていただきました
看護師さんたちの努力に感謝しながら
この取り組みをさらに発展させていければと考えています