6月のさいごの日曜日

私たちの法人の総代会(生活協同組合なので毎年開催が義務付けられています)がありました

 

1年間の地域での取り組みや職員の活動が生き生きと報告されました

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新入職員の紹介の場面ではみんな準備をしっかりとされ、評判は上々でした

 

 

わが病棟の師長さんからは「緩和ケア病棟の3年間」というテーマでの報告がありました

豊富なスライドを駆使して、きちんと制限時間内に収められました

 

参加者からは「とてもよかった」「泣きそうになりました」という声が寄せられています

 

報告のさいごに3周年記念のつどいのお知らせをしてもらいました

 

ビラを載せておきます

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このブログをご覧になっていただいている方々のご参加をお待ちしています

何かしたいこと?

―とくにないなあ

車いすに乗って散歩?

―今はいいです

 

と看護師さんが色々と提案しても消極的な返事ばかり

 

病気が腰椎に転移したために痛みが強くなり入院してこられました

痛みのコントロールはなんとかできました

でも様々な事情からベッド上での生活となってしまいました

 

気分転換をかねて車いすでの散歩のお誘いをしても

「行きたくない」

と断られます

 

寝ながらテレビと新聞をみている毎日でした

 

ある日「この病院では天ぷらがでないのか」と言われました

その話を聞いて看護師さんたちがすぐに反応

栄養士さん、調理師さんと相談です

 

「ぜひ提供させていただきましょう」

と快く引き受けていただきました

 

 

そのことを患者さんに伝えると大喜び

予定されている日が待ち遠しいのか

「今日じゃなかったの?」

「天ぷらの日はまだ?」

と毎日のように催促されます

 

とうとうその日がやってきました!

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私は残念ながらその場に居合わせることができなかったのですが

看護師さんの話では

「患者さん、涙を流しながら食べておられましたよ」

「ほんとにうれしそうでした」

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準備をしていただいた栄養士さんと調理師さんです

ありがとうございました

 

☆無理をお願いして調理師さんからコメントをいただきました

 

 

病院の食事は全て“治療の一環としての食事”だと自負しています。

 僕は治療食に携わることを誇りに思っています。

 

 緩和ケアオープン時から、自分たちが提供している食事が患者さんにとって人生最後の食事になるかもしれないと思ってやってきました。

 

 僕は直接患者さんを治療することはできません。

 患者さんが“緩和ケアの治療食”に何を望んでいるか考え、食べたい気持ちを支えることが僕たちの仕事であり、やりがいです。

 

 天ぷらは“日清の黄金”

 花はかすみ草

 

 が僕のポリシーです。

 

(日清の天ぷら粉はからっと揚がるおススメの天ぷら粉、かすみ草は縁の下の力持ち、引き立て役というニュアンスだそうです)

 

 

☆後日患者さんにインタビューしました

 

○とても上出来です!

○おいしくて最高でした

○今まで入院した病院では食べたことはなかった

○エビも大きく、天ぷらは大好きです

○こんどは天ぷらうどんが食べたいなあ

○頑張ろうという気持ちが湧いてきました

 

と話されました

 

 

緩和ケア病棟は色んなスタッフに支えられているんだということを、改めて認識した出来事でした

「体が温かいうちにハグしてあげたいんです!」

大粒の涙を流しながら看護師にお願いをされました

 

患者さんは40歳台

病気が見つかって1年余り

考えられるかぎりの治療を続けてこられました

そのための経済的な負担も想像できないくらいです

私たちが面談依頼を受けたのは

これが最後の治療法かもしれないと言われたときです

奥様が相談に見えられました

 

それから数か月たって…

合併症のため寝たきりとなり、コミュニケーションが不十分な状態

入院していただきました

 

「家族といっしょに最期のときをゆっくりとすごしたいのです」

と、奥様

 

広めの病室にご案内しました

ご家族が交代で、ときには全員でお泊りをされていました

 

「告知されたときはみんな受け止めることができず、時間がかかりましたが、現状はみんなわかっています」

「夫もしたいことはすべてしてきたと思います。だからもう心残りはないっていっていました」

「治療もぎりぎりの限界まで私たち家族のために受けてくれました」

「子どもたちにもすべて伝えています。父親が頑張ってきたことは知ってくれていて、取り乱すこともありません」

「……それでも少しでも長く生きていてほしいです」

 

 

前医で告げられていた寿命が訪れてきました

 

意識状態が低下しはじめ

手足のチアノーゼがあらわれ

呼吸が努力様呼吸から下顎呼吸にかわり

 

そして

…しずかに

…旅立たれました

 

 

「まだ体が温かいうちにハグしたいんです」

と奥様

「おとうさんありがとう…」

ご家族が順番に抱きしめられました

 

患者さん、ご家族は私の到着をまってくれていました

のちに最期のときのお話を看護師さんから聞いて

自然とつぎのフレーズが浮かんできました

 

さよならが迎えに来ることを

最初からわかっていたとしたって

もう一回もう一回

もう一回もう一回

何度でも君に逢いたい

めぐり逢えたことでこんなに

世界が美しく見えるなんて

想像さえもしていない 単純だって笑うかい?

君に心からありがとうを言うよ

 

ご存じ、Mr.Childrenの『HANABI』のサビの部分です

 

ご家族は(そして患者さんも)

ハグすることで、大切な人のことを心に、体に刻み付けたい

って思われたのではないでしょうか?

そして

もう一回でいいから逢いたい とも…

 

私の勝手な解釈なのかもしれませんが

でもそう思えました

 

短いお付き合いでしたが

みなさん方の姿は決して忘れることはないでしょう

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