病棟が完成し、内覧会を行っています

5月23日は医療機関向け、24日から26日は医療生協の組合員さんにむけてのお披露目です

開催に先立ち、設計事務所と建築会社への感謝状をお渡ししました

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素敵な病棟を作っていただき有難うございました

病院の玄関を入ると受け付けです

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受け付けをすませて左側のエレベーターで5階へどうぞ

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エレベーターを降りると目の前が開けます

 

緩和ケア病棟のフロアです

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私たちの先輩であるH病院・緩和ケア病棟からのお祝いのひまわり(!)です

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看護師さんたちのお出迎え

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私たち自慢の「畳の病室」   二部屋あります

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家族室……(時々昼寝に使わせてもらってもいいかな……?)

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面談室兼「緩和ケア外来」のお部屋

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壁の色のコントラストと奥に掛けられた絵画が落ち着きを演出しています

 

ずっと歩を進めるとボランティアさんたちがお世話をしてくれています

ここはデイルーム

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北側の病室の窓からは六甲山を望み……

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南に面した病室からは、大阪湾がみえる(……はずです)

夏には神戸港の花火が見えるかな……?

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いよいよオープンです!

 

6月1日から私たちはここで働きます

どうかよろしくお願いいたします。

 

 

“uproad”

Aさんの物語

 

Aさんは小柄な女性で、いつの外来でも物静かな方なのであまり目立つ患者さんではありませんでした。

 

ある年の春のことです。何となくおなかに違和感を覚えるようになり、次第につっぱるような感覚になってきました。

精密検査のため大きな病院を紹介、そこで「がん」と診断されました。

軽い気持ちで受診したのに、いきなり「がん」と言われ、その夜は泣き明かしました。

 

体力と病気の進行度を考えると、手術は困難と主治医は判断。抗がん剤治療が開始されました。

抗がん剤の効果が見られ、腫瘍は小さくなり一安心。

しかし約1年後にふたたび「がん」は大きくなってきました。

あらためて抗がん剤治療です。

しかし、下痢をしたり、食欲が落ちてきたりして薬の副作用が考えられました。血液検査でも白血球や血小板が低下しています。

主治医から「いったん抗がん剤をやめて様子をみましょう」と告げられ、Aさんは再びショックを受けました。このときに「緩和ケア病棟への入院も考えたほうがいいですよ」といわれたのですが、緩和ケア病棟がどういうところかもわからず、「はい」と返事したことだけを覚えています。

 

Aさんは治療について「副作用のためにいったん薬をお休みする」と理解はしましたが、抗がん剤治療を中止するという意志はありません。そのため治療の再開を期待してしばらく病院通いを続けます。

主治医との話し合いの中で、「抗がん剤は無理、手術もできない、放射線治療は効果がない。緩和ケアの病院も探すほうがいいでしょう」と言われます。

「でも、まだ何か治療法があるのでは?」と思いたいAさんから相談を受けた私は、セカンドオピニオンを受けるという方法があることを伝え、主治医に話してみようということになりました。

このとき「今は自宅にいたいが、ゆくゆくは緩和ケアの病院に入らないといけないと思っている」という発言もあり、少しずつご自分の状況をつかみ始めているのかなと思ったものです。

 

セカンドオピニオンの結果、別の病院で引き続き抗がん剤治療をすることになり、ふたたび希望がつながりました。

しかし3か月がたち「CTでみると腫瘍はますます大きくなってきています。これ以上の治療は難しいと思います」と告げられました。

 

私の外来の日。

「どうして抗がん剤が効かないのでしょうか」と疑問を口に出される一方で、「治療の方法がないと言われたのならしょうがないですね」と心は揺れています。

「Aさん、今日まで頑張ることができたのは抗がん剤のおかげかもしれませんよ」と私。

 

一人暮らしのAさんは不安がつよく、訪問看護も受けていました。

その看護師さんからの電話です。

「痛みが強くなり、食事もあまりとれていないようです。ご本人に聞くと『入院したい』と言われています」

 

・・・・・

 

Aさんはこのような状況で私たちの病院に入院されました。

このときの困っていることを尋ねると、

「おなかの鈍い痛みが続いています。寝ていると感じないけれど、歩くと痛みが強くなるようです」

「尿や便の回数が多くて困っています」

「38度前後の熱が時々あります」

「口が渇いてつらいのです。食べ物の味がわからないために食欲がありません」

 

さっそく対策を考えました。

まずおなかの痛みは腫瘍が大きくなってきていることが原因と考え、オキシコンチンという医療用麻薬を始めました。翌日には痛みはかなり軽くなったようです。

吐き気や便秘、眠気への注意は怠ってはいけません。Aさんにも詳しく説明し、我慢せずに私たちに伝えてくださいとお願いしました。

 

以前から足のむくみがあり、利尿剤を飲んでいます。尿の回数が多いのはそのためでしょう。便は麻薬による便秘のほうが怖いので、また尿のことほど困っている様子でもなかったのでお部屋をトイレの近くにすることでしばらくは様子を見ることにしました。

 

熱の原因はおそらく「腫瘍熱」でしょう。

ナイキサンというお薬で平熱のことが多くなりました。

 

問題は口の渇きです。抗がん剤による作用がもっとも考えられました。

これはこの先もずっとAさんと私たちを悩ますことになります。

「今しておきたいことはないでしょうか?」

恐る恐る聞くと、

「苦しまずに最後まで過ごせればいいのにね……

「これまで頑張ってきたのでこれ以上頑張れと言われてもしんどいです」

「静かに余生を送りたい」

「人の手を煩わせたくないです」

 

Aさんとご家族を交えて話しました。

こちらからは私と看護師さん。

思ったよりも腫瘍が大きくなってきています。

しかし、症状がコントロールされて病院に通えるようになれば退院も夢ではないでしょう。

もしも通院が大変なら往診も行います。

当面このことを目標にしましょう。

 

Aさんは入院後安心されたのか、また薬も効いたのかずいぶんと落ち着かれるようになりました。食欲も増え、睡眠も十分にとれているようです。

 

・・・・・

 

「したいことがあるのじゃないですか?」

気分のよさそうな日に声をかけました。

しばらく私の顔を見て、

「……桜の花見にみんなでいきたいなあ」

さっそくご家族と計画です。

ネットでいつが満開か調べました。

天気予報も大事です。

ご家族も乗り気で準備万端です。

毎日の回診ではその話でもちきりです。

このときは症状も軽くなっています。

 

これまでの生活のことを聞かせていただきました。

若い頃重病になり、結婚ができなかったこと

働きに出たときがいちばん楽しかったこと

母親の介護に一生懸命だったこと

などをゆっくりと思い出すように話してくれました。

現在の心境は、「もうダメという気持ちともういちど元気になりたいという気持ちが半々」

「元気になりたい」という意味を尋ねると、「自分のことができて、人の世話にならずに生活ができること」とはっきりと答えてくれました。

 

――まず、お花見を成功させよう!

 

Aさんのために4月はじめの空は上機嫌でした。

花見を満喫したあとの目標として試験外泊を提案しました。

 

・・・・・

 

現実は小説や映画のようにはうまくいかないものです。

試験外泊はご家族の予定との調整がつかず先延ばしになります。

外出だけならということで、自宅への外出となりました。

気にかかっていた用事を済まされたようです。

 

思ったように体が動かず、疲れもあったのか、このあとから少しずつベッドに横になっている時間が増えてきました。

おなかの腫瘍も日に日に大きくなってきています。

足のむくみがつよくなり、吐き気の回数も増えてきました。

 

ここから毎日のように薬を見直すことになります。

 

腎機能や高カルシウム血症のチェックにはじまり、緩和ケアの領域で使われる薬のオンパレードです。

お風呂に入って驚きの感想……思っていた以上に腫瘍が大きくなっていた

 

でも気持ちは今でも揺れ動きます。

「抗がん剤をやめたから大きくなってきたのでしょうか」

「薬を飲めばよくなるのでしょうか」

否定はせず、思いをじっくりと聴きながら、「これ以上悪くならないように努力をしています」と言葉を返します。

……ご自分の置かれている状況が正確に理解されていないのか、厳しい状況を認めたくないための発言なのか……当時の私のカルテ記載

病状が進むにつれて自覚する症状も強くなってきます。

「吐き気は朝はまだいいのですが、動こうとすると出てきます

「口の渇きは強くてつらいです」

人工唾液は甘すぎ

ノンシュガーの飴を手に入れてお渡しする

テレビで宣伝しているガムは甘くて耐えられない

試行錯誤の連続でした。

 

そんな中でも自分の足で歩きたい、トイレに行きたい、とリハビリの希望が出されました。

足のマッサージや立ち上がりの練習のために理学療法士さん、洋裁が好きということがわかり作業療法士さんのかかわりを求めました。

 

看護師さんとも相談です。

「トイレに行けなくなればポータブルトイレを、起き上がることができなくなればおむつを というのがよく行われるけれど、自分でできることはしたいという望みは最大限叶えてあげたいです。トイレまで歩くことが難しくなりそうならポータブルトイレの使用などいくつかの方法がありますよと示してあげて、ご本人の選択に任せるようにしてあげてください。自律を大切にしましょう」と意思統一しました。

 

食事がいよいよ少なくなってきます。

飲み薬が多いことも苦痛です。

思い切って薬を整理しました。

今やめても大丈夫と思われるものは中止、飲み薬は貼り薬へ、あるいは座薬へ などなど。

 

・・・・・

 

そうとう気弱になっています。

「こんなに急に悪くなるものなんですか?」

・・・「病気が進んでいるということですね。でもつらいですよね」

「落ち着けばまた歩けるようになるのですか?」

・・・「そうなることを想像しながら一緒に治療していきましょう」

「私もいろんな方法を考えます。決してあきらめているわけではないですので、ともに頑張りましょう」

 

ご家族には電話で状態を報告し、1~2週間の余命かもしれないとお知らせしました。

「今日は家族や友人などいろんな人たちが来てくれてとてもうれしかった」

知っている人がそばにいることが癒しになっています。

 

「体がしんどい、自分で動けないことがつらい」

おなかを触りながら「このかたまりが取れたらいいのに……」

・・・「ほんとにそうですね」

 

夜間の不眠が苦痛になってきたので、夜間だけ眠剤の点滴を開始。

 

日中もうとうとすることが増える一方で、「早くあっちに逝きたい」「死にたい」などの言葉が朦朧とした意識のときも、はっきりと覚醒しているときにも聞かれるようになってきました。

Aさんとの会話

「安定剤を使ってずっと眠ってもらう方法もありますが、その時にはご家族と話ができなくなります」

Aさん「それでもいいです。しんどいのをとってほしい」

 

ご家族に来院していただき、スタッフとともに「鎮静」の説明をしました。

「この数日さらに弱ってきています。しかし意識がはっきりしているときに『死にたい』『早くあっちにいきたい』と繰り返され、薬で眠ってもらう方法がありますがどう考えられますか?」

ご家族「自分たちにも同じようなことを言っています。もし本人が楽になるのならお願いします」

「ただ鎮静を始めると意識がなくなりますので、会話ができなくなります。また口から水分もとれなくなったり、背中などの痛みを訴えることもできませんので、スタッフで口を湿らせてあげたり、体の向きをかえてあげたりしていきます。ご家族も口に少し水分を含ませてあげることはできます。眠っているように見えてもまわりの声は聞こえている可能性があります。いろいろと話しかけてあげてください。また手をにぎったり、足をさすったりしてあげるとそばに人がいることがわかり落ち着かれると思います」

 

そのあと、もう一度Aさんの意思を確かめます。

「眠らせてほしい……」

 

鎮静をはじめて2日目に今後も続けるかどうかをご家族と話しました。

ご家族「これまでがとてもしんどかったし、本人も眠って楽になることを希望していました。今の状態を見ると楽に見えるのでこのままでいきたい」

ご家族はここまで本当によくお世話をされていました。

 

親しい友人が来られてもうっすらとうなづくのみ。

友人と二人にして部屋をあとにしてから、しばらくして訪室すると、

「お見舞いに来ましたが眠っているようなので帰ります」との書き置きがありました。

 

・・・・・

 

初夏というのに、いつもより寒く感じる夜

静かに息を引き取られました

 

プロジェクトのみなさん、お疲れ様でした。

長い間ありがとうございました。

やっと6月1日の開設にこぎ着けることができました。

ここまでよく頑張ったなあというのが実感です。

 

I先生には開設を検討するプロジェクトの時期からかかわっていただき、また症例検討会ではいろいろとご迷惑をおかけしました。申し訳ありませんでした。開設後も頼りにしていますのでよろしくお願いいたします。

A師長さんは、現場の応援にもたくさん入りながらも、「緩和ケア病棟開設統括責任者」という重要な役割を担っていただきました。とても忙しい中、組合員さんからの要望に応えて学習会にいっぱい出かけてもらいました。それぞれの事業所にも行っていただきました。お疲れ様でした。

 

E事務次長は私の突然の依頼を快く何度も引き受けてもらいました。経営の課題、建設の計画、業者との交渉など困難な任務を十分にこなしてもらえたことに感謝しています。

 

3人の看護の職責者の皆さんたちとは、学習会を通じて多くのことを学びました。3階の業務をこなしながらの準備はほんとに大変だったと思います。

Yさん(私が研修を終えて最初に受け持った終末期の患者さんですが)のケアに関してはたくさん相談に乗ってもらいました。亡くなられてから「これでよかったのだろうか?」という私の悩みにも意見をいただきました。

緩和ケア病棟は看護師がもっとも重要な役割を果たすことになります。これから一層素敵なチームをつくり、「明るい」緩和ケア病棟にしていきましょう。

 

薬局との学習会が私の最初の他職種との試みでした。分担して報告してもらいながらの学習でしたが、それぞれ自分の担当のところは一生懸命準備されているのがとても印象的でした。

新しい薬の採用、東神戸病院の見学、Yさんの処方をめぐって毎日のように変更するやり方に気持ち良く応えていただきありがとうございました。

これからも毎日が勉強です。

 

リハビリテーション科のみなさんとは回リハ病棟からの長い付き合いがあり、好きなことを言わせてもらいました。私の思いを伝えたいとセラピスト全員を対象に勉強会を持たせていただきました。みなさんがたの熱意は十分に伝わっています。

緩和ケア領域のリハはまだまだ手さぐりの状態だと思っています。今後も一緒に努力、工夫をしながら、協同病院ならではのリハの一分野として育てていきましょう。

 

栄養科とも話し合いましたね。

「緩和ケアのそもそも」の話もさせてもらいました。

こんなメニューも考えていますと示された時にはとても嬉しかったです。

自分たちはどのようにかかわることができるのだろうと熱心に考えていただいています。

最後まで好きなものを少しでもいいから食べたい、というのが多くの患者さんの希望です。そのための努力をともに続けていきましょう。

 

医療ソーシャルワーカーのかかわりはますます大切になります。

まだどのように働けばいいのかわからないこともあるようですが、緩和ケアは患者さんの負担が大きいです。長い間がんの治療(手術、抗がん剤、放射線治療など)を受けてこられ、そのときの負担は一般の医療と比べても大きいと言われています。その上に終末期にかかる費用です。C病院からは「おたくは無低診を採用されているので安心です」と言われました。「困ったときのMSW」、絶えず患者さん・ご家族の味方になってください。

 

医療業務課にはこれから様々な難題を持ち込むかもしれません。

開設直前になって「外来の流れ」「入院の流れ」の話し合いを急に持つことになり、ご迷惑をおかけしました。このことについては地域医療部の皆さんにも力を貸していただきました。とても感謝しています。

ときには病棟のカンファレンスにも医療事務という立場からの参加をしてもらうことを期待しています。

 

臨床心理士という私たちにとってはまったく新しい職種です。

私自身も受け入れにあたりどのように研修を進めていけばいいのか悩みました。しかし兵庫民医連の先輩たちの暖かいアドバイスを受け、イメージが次第にできてきています。

周囲からは「どんなことをしてくれるの」「こんなことを頼んでもいいのでしょうか」など期待も大きいと思います。

一人で悩まずチームで相談していきましょう

 

歯科衛生士さんたちとも話し合いをもちました。

双方の思いを出し合ったという段階ですが、今後病棟運営が軌道に乗れば積極的なかかわりを求めていきたいと考えています。

みなさん熱い思いを持っていました

 

管理委員会には私の「焦り」を何度かそのままぶつけたこともありましたが、いやがらずに話を聞いていただき感謝しています。

今はまだ経営面での期待のほうが大きいような印象がありますが、医療、看護・ケアの面では協同病院にとっての刺激となるよう頑張りたいと思います。

診療所の外来の終了、訪問診療の単位の縮小、特養の回診をM先生へ移行、病院の外来単位の縮小、リハ回診の中止/カンファレンスへの不十分な参加 など医局をはじめ多方面にわたりご迷惑をおかけしてきました。

また1月、2月の外部での研修のときにはそれ以上のご迷惑をかけたことと思います。

ご支援ありがとうございました。

 

いよいよ新たな医療活動の開始です。

当面はゆっくりと無理をせず、たくさんの方々の力を借りながら緩和ケア病棟を作っていきたいと決意しています。

 

これからもよろしくお願いいたします

そしてみなさんお疲れ様でした。

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病棟の改築が終了し、工事会社から引き渡しのあった日に、ともに頑張ってきたプロジェクトのメンバーに手紙を送りました。

 

“uproad”

先日私たちの法人の4つ目の歯科診療所の10周年記念の集まりがあり、そこでご挨拶をさせていただきました。

緩和ケアに触れたこともあり、ここに再掲しておきます。

 

――歯科医療への期待――

 

生協なでしこ歯科開設10周年、おめでとうございます。

この10年間多くの苦労があったことと思います。

しかし、地域組合員、職員の皆様の奮闘が現在の発展の基礎となっており、そのご努力に神戸医療生協を代表して感謝いたします。

 

一般には歯科は「虫歯ができて痛む」「入れ歯を作りたい、調整したい」というときに受診するところという認識がまだまだ多いのではないでしょうか?

生協なでしこ歯科は「成人歯科・歯科往診」「小児・障がい者歯科」「矯正歯科」と幅広い分野を担い、その一つひとつが大きな成果をあげております。

これは神戸医療生協4つの歯科診療所の医療活動に共通しており、先輩たちが作り上げ、皆さん方が受け継いできた歯科医療の伝統でしょう。

治療のみでなく健診、予防、健康づくりにいたるまでの切れ目のない歯科医療活動を最初の歯科診療所である協同歯科の時代から当たり前のようにおこなってこられました。医療界全体からみるとそれは画期的で先進的な医療であり、私たちの大切な宝物であります。同じことが私たち医科の分野にも言えることだと思っております。

 

協同歯科、きたすま歯科、いたやど歯科につづく4番目の歯科建設が私たちの課題となり、土地探しに苦労をしたことを思い出します。

10年前、西神戸の地での歯科建設を総代会で決定して以後、まだ医療生協の組合員も班も他と比べて多くない地域での開設をめざし、組合員と職員の協同で地域をくまなく歩いて宣伝し、組合員を増やし、出資金のお願いに回りました。私も微力ながら参加したことが懐かしいです。

 

さて今は「連携」が強調される時代です。

私たちのなかではとりわけ歯科と医科の連携は大切です。そのことは患者様も職員も望んでいることでありますが、なかなか専門分野が異なると難しい面があることも指摘されていました。

しかし過去には脳卒中などの病気のために食事がうまく食べることができない、呑み込めない患者様のために、歯科と医科が協力して勉強会をもち、リハビリを進める基準づくりを行ったことがありました。その時に参加したのが医師、歯科医師、看護師、歯科衛生士、栄養士、理学療法士、作業療法士、介護士などの多彩な職種で、中でも大きな力を発揮してくれたのが歯科衛生士さんたちでした。現在神戸協同病院の入院患者様の口のケアにもきてもらっております。

 

またこの場をお借りしてお話をさせていただかないといけないのが6月にオープンする神戸協同病院の緩和ケア病棟のことです。

病棟の責任医師として私が勤めさていただくことになっております。

今までに幾人かの患者様、ご家族の入院の相談を受けており、期待されていることを実感しています。

私たちの緩和ケア病棟の大きな特徴は、「19床の全室が個室であること」「差額ベッド代はいただかかないこと」です。

緩和ケア病棟に入院される患者様の多くはこれまで治療を受けていた医療機関で「あなたはもう何も治療法がありません、あとは緩和ケアです」と言われ、一種の“見捨てられ感”を抱かれています。

私たちのケアはそこからのスタートです。決して「何もすることがない」とは思いません。「きっと何かすることがあるはず」です。

たとえば、多くの方は体が衰弱して思うように動けなくなっても、「トイレは自分で行きたい」「食事は少しでも好きなものを食べたい」と望まれており、私たちはその望みを決して押し付けにならずにかなえるお手伝いをすることが役割です。緩和ケアの本質は“おもてなしの心”だと言われています。

そのときに歯科の皆さん方との連携、協力が必要になってくるのです。「最後まで口から食べたい」という患者様のささやかな希望をともに実現していきたいのです。そのために先日衛生士さんとも意見交換をさせていただきました。

まだこれからですが、神戸医療生協の特徴のひとつとして育てていきたいと思っております。

 

このように歯科医療の発展が医科医療の発展に密接に関連しており、生協なでしこ歯科がその牽引車となってますます力を発揮されることを大いに期待しております。

 

次の10年に向かい、組合員の活動が活発に行われているこの地域で、生協なでしこ歯科を中心に協同が一層発展することを願っています。

 

おめでとうございます。

 

“uproad”

 

6月1日の病棟オープンにむけて、ただいまお世話になっている病院訪問を行っています。

医師、看護師、管理事務 などでチームをつくりこれからの一層のお付き合いのお願いに回らせていただいています。

 

院長先生、副院長先生、緩和ケア担当の先生をはじめ、看護師長さん、地域連携の責任の方などのお話を伺いながら、いろんなアドバイスとともに期待の声もいただきました。

とてもありがたいことです。

 

一方で、入院予約のための面談外来も行っていますが、患者様・ご家族様は様々な苦労をしてこられたことが痛いほどわかりました。

しかしこの短い間でも、相談をしていた患者様がすでに3人お亡くなりになっており、早く開設にこぎ着けねばと焦りも感じています。

 

5月23日から26日にかけてお披露目会も計画しております。

 

6月1日には最初の患者様を受け入れさせていただくために最終の打ち合わせ(段取り)を関係する各部門と何度も話し合って調整の真っ最中です。

 

頑張ります!

 

“uproad”