9月19日安全保障関連法が成立しました
このブログで「政治的発言」はふさわしくないのかもしれませんが、日本国民の多くが同じ思いであると確信しつつ、少し述べさせてもらいます
「日本を取り巻く安保環境の変化に対応」するため、集団的自衛権の容認をはじめとした「防衛政策の転換」をはかるとの首相と現政権のかたくなな思いが、平和を犠牲にすることになったのではないでしょうか?

背景としては国民の意思よりもアメリカとの約束を優先したとも言われているようです

緩和ケアにたずさわっていると、どのような人にもいずれは訪れる「死」ということを当たり前のこととして受け止めています
病気による死は理不尽だと思うことが少なくはありませんが、戦争による死はその何倍も、いや無限大に理不尽です
正当化する根拠はまったくありません

命はどのような世界で暮らそうと、どのような考え方を持っていようと、どのような経済状態であろうと、みんなに平等です
戦争は(戦闘員を除けば)まっさきに弱い立場の人々を殺戮し、その家族や友人たちを苦しめます
命の平等とは正反対のものです
最近のテレビや新聞を目にすると気づくことがあります
安保法案に反対する集会やデモの参加者のなかには、様々な団体にまじって学生をはじめとした若者や子供をつれた若いお母さんたちの姿が目立ちます

日本国憲法を守り、民主主義を大切にしようとする力がまちがいなく成長していると感じさせられました

9月20日付の神戸新聞に書かれた文章を引用します
“…ここに一人の「若者」がいる。生まれたのは1946年。……焼野原で人々の心に希望の光をともしたときのまま、今も若々しい。名を「日本国憲法」という。……押し付けだの理想主義だのと言われても、憲法は一向にひるまない。逆にこう訴えかけてくる。理想を失ってはだめだ、混沌とした時代だからこそ大きな理念を抱こう、と…”

私たちは家族や友人、これからの社会を築く子供や孫、その人たちにまつわるすべての人たちが幸せに安心して暮らせる社会の実現を望んでいます
その中心には憲法の理念があります

法律は通りました
でも今度の選挙の結果次第では廃止することも可能でしょう
多くのひとたちと、もっともっと広く力を合わせていきたいと思います

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ご高齢の患者さんの最期を看取らせていただいたあと、息子さんと話をしました
息子さんはひとこと、「老衰ですね」
――ほんとは○○がんなんだけれど・・・
その時少しだけ違和感を感じていました

 

幾日かたったある日
購入したばかりの本を読んでいたときのことです
書籍の題名は『看取りの技術』(平方眞 著)

そこには「がん患者の看取りは『老衰』を目指そう」とありました
以前に感じた違和感がふたたび湧いてきました

しかし読み進めるうちに腑に落ちることがたくさんあることに気づいたのです

平方医師は次の条件がそろったときに「老衰」と考えていいでしょうと述べられています
①  本人・家族が「十分に長生きした」と実感できている
②  穏やかに、眠るように、自然に、亡くなった
③  明らかに「この病気によって死んだ」という原因がない
④  明らかに「この臓器が特に弱くて死んだ」という原因がない、つまり「各臓器がバランスを保ったまま弱って死んだ」状態
⑤  無理に命を延ばそうとしてもほとんど効果がないか、むしろ逆効果

なるほどと思いました

患者さんの息子さんにとってみれば、きっと「老衰」のように思えたのでしょう
今もそのような経過をたどりつつある入院患者さんがいらっしゃいます

往診をしているとき、徐々に弱っていかれる患者さんの看取りをさせていただくことが少なからずあります
老人ホームで最期を迎えられるお年寄りもたくさん見てきました
みなさん穏やかなお顔をされていました

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「がんは急速に年を取り寿命を迎える病気」と平方医師は述べています
「緩和ケアをしっかり行ったうえで、患者さん・家族が理解可能でかつ納得できる説明を十分に行うことが、自然な死に近づけていくために医療者に求められるスキル」とも述べられていました

その状態を目標に・・・と言えるほどには力量がまだまだ足りていませんが、結果として「老衰と同じですね」とご家族とお話しできることがあれば、それはまたひとつの迎え方ではあるのだろうと思うようになりました

 

緩和ケアは奥が深いです

9月13日日曜日、組合員、職員260人あまりの参加で大きな成功を収めました
9/10のブログでもご紹介したように、10月、11月の2か月間、みんなで取り組む月間がはじまります
全員でスタートする意思統一のための大切な催しとなりました
ブログの内容に若干アレンジを加えたあいさつをさせていただきました
緩和ケア病棟の紹介も兼ねています
そのあとは、落語家の桂勢朝さんの「時事落語」
桂米朝さんのお弟子さんです
みんな大いに笑い、感動しました
さすがは本職です!

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テーマは「永田町歌合戦」です
中身は「企業秘密」かもしれませんのであえて触れないでおきます
でも今の政治状況を面白おかしく物まねもまじえながら、歌っていただきました
参加者のみなさんは胸のつかえがすーっと落ちたのではないでしょうか?

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そしてさいごには、どこまでが本気かわかりませんでしたが(笑)、見事な(?)南京玉すだれを披露していただきました
桂勢朝さん
ほんとうにありがとうございました
お疲れ様でした  (写真を2枚使わせていただきました)
私たちのリアクションはよかったでしょうか??
つづいて、理事の “生協亭 きよこ”さんが月間の提起を立て板に水のごとく上手に話されました
ブログの内容もふたつ紹介していただきました
メインイベントは、各支部/ブロックと事業所からの「取り組み宣言」です
それぞれ短い準備期間にもかかわらず、創意工夫をこらした宣言をしました
私たち病院は、寸劇を披露
題名は「入ってよかった 医療生協!」
若い職員が中心になって演じ切りました
長いセリフをしっかりと覚えた職員たち
脚本を準備した職員
評判はよかったと自負いたしております

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――みんなが主役、みんなで取り組む――生協を強く大きくする運動が、この秋の大きなテーマです

まず、この写真をご覧ください

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この写真の作者である患者様のおはなしです

現在は緩和ケア病棟に入院されています

 

ある日のこと

診察を終えたとき

「今の政治を見ているととても不安なのです」

と話を切り出されました

 

しばらく耳を傾けました

 

「私は小学校、すぐに国民学校と名前を変えましたが、その3年生のときに戦争がはじまりました。6年生のときには集団で疎開をしました。でもすぐに中学校の受験のために神戸に戻ってきました」

 

生粋の神戸っ子です

神戸大空襲も阪神淡路大震災も経験されました

 

「昭和20年に中学校―航空工業といって飛行機を作る勉強をする学校ですが、そこに入学した年です。3月に大空襲がありました。幸いに私の家は焼け残ったのですが、6月の空襲では大事なものを保管していた防空壕が爆弾の直撃を受けました」

「神戸の空襲では大変つらい目にあいましたが、とても人に話せる勇気がありません」

 

少し間をおかれたあと

「でも今の政治の状況を考えると不安でしょうがないのです」

とおっしゃいました

 

「安倍首相の言っていることは、戦争間際の(A級戦争犯罪人と言われた)東条英機の言ったことと同じだと思います。とても心配です」

 

 

改めて次の写真をご覧ください

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よく見ると写真の下に『幸せ』と題名が書かれています

これは京都の三千院の「わらべ地蔵」です

お地蔵さんは子供の守り神と言われています

 

私たちには子供や孫たちが平和で幸せに暮らせるような世の中を準備する責任があります

「お地蔵さん」になる必要があるのです

 

ぜひいっしょに頑張りましょう

 

さいごに次のように話されました

「『三つの輪』っていうんですか? 5,6月号を読ませていただきました。私も少しでも出資金をさせてもらえればと思っています」

(*『三つの輪』は私たちの機関誌の名称です)

 

 

――ありがとうございます!

 

 

以上は9月13日に行われる予定の「生協強化月間」(全国的に生活協同組合が毎年行う企画です。生協を強く大きくしようという意図で行われています)の「スタートまつり」でお話するあいさつの原稿です

 

今回のテーマは“思い出づくり”です

「その一」はどちらかと言えば“思い出さがし”でしょうか

 

前回登場いただいたSさんのお話の続きになります

 

まずは……

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Sさんといっしょに病院から見た花火

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素人写真でとっても写りがよくないです

ごめんなさい

翌日の新聞の一面を飾った花火の写真を見て一言

「せんせいの撮った写真が採用されたんじゃないの?」

いえいえとんでもありません

なにかの勘違いでしょう

 

でも前の日のことを思い出しながら

「きれいでしたねえ」とつくづく話されました

 

この言葉は私たちにとっても共有できるものでした

 

「何か食べたいものはないの?」と娘さん

「……焼き肉とすき焼き」

 

予定日を決めてご家族が準備にとりかかります

場所は病棟のデイルーム

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とってもおいしそうな匂いが漂い、食欲をそそります

食の細かったSさんもたくさん食べたようです

 

翌日にはすき焼きが待っていました!

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Sさん、娘さん、お孫さん

それに看護師さんや栄養士さん

私も参加させていただきました

 

Sさんそっちのけで「ほんとにおいしいね!!」

 

Sさんのご家族にはいろんなサプライズを考え、取り組んでいただきました

 

思い出づくりの一コマだったのだと思います

 

私たちにとってもSさんとの思い出になったことは間違いありません

 

 

“思い出づくり”といっても独りよがりになってはいけないと思っています

―Sさんのことを私たちは忘れないよ―という気持ちをあのときの情景とともに胸に刻むことができればいいのかもしれないです