神戸まつりの前日

病院のすぐ横の商店街で「ほんマニアほんまちズム」という催しが開催されました

――各商店の持ち前の技術を活かし、街ゼミを開催―― とありました

様々なお店が工夫をこらして参加しています

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私たちの法人・病院も健康チェックのお店をだしました

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ここだけ大きく載せます

もう一つの商店街では「民謡総踊り」があるそうです

下町特有の取り組みが、みんなを元気づけてくれます

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http://honmachisuji.com/ より

 

 

休みを利用して東京へ行きました

近郊の街での私用を済ませてから東京駅に

昼の顔と夜の顔の違いに感激です

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以上、昼の顔でした

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夜の顔になんとなく懐かしさを感じました

なぜでしょう?

ホテルのチェックインをすませたときに思い出しました

ずっと昔、テレビゲームに出てきた『○○の館』にそっくり!

そんな失礼なことを想像するのも旅の楽しさのひとつでしょうか

駅のような建物でさえ変化するのだから、まして人のこころなんて…

という感傷に浸ってしまうのはアルコールのためだと思っておきます

――翌日のこと

夜の間に降り続いた雨も上がり、時間があったので気になっていた場所を訪ねてみました

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とてもでっかく見えました!

全体像がカメラにおさまりません

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中に入ろうと窓口に行くとなんと「4時間待ちです」とのこと

隣にある水族館も並んでました

雨上がりの日差しの強さと前日飲みすぎた疲れから断念しました

外からの見学とお土産を買って終了です

 

こんなお店もありました

でも順番待ちの人でいっぱいです

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またあらためて来てみよう…

帰りはついでに車窓からの定番の風景を…

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東京は若い頃、研修のために1年間暮らした街です

そのときには「情報が早く手に入る」「たくさんの有名人に会える」「いろんな人たちと話ができる」と大好きな所でした

その後は訪れるたびに街は大きく変わってきました

今ではホットな情報もネットなどで手に入ります

今回は慌ただしさの中での旅になりました

病院のあるまちに帰ってきて、「やっぱり下町はいいなあ」

私にはこの静かな雰囲気が合っているのかもしれません

 

いつもの休日の朝

いつものK-珈琲のモーニング

 

若い店員さんの声、子供たちの歓声、仲のよさそうな高齢者の集団の話し声…

その喧噪のなか、一気に自分の世界にダイブするときの心地よさ…

 

「痛み」

「呼吸困難」

「眠気」

・・・・・

「くすり」

コーヒーカップをどけて空いたスペースにノートパソコンを置く

いつの間にかいくつかの文字が並ぶ

 

そして

“ミッシングリンク”の言葉が浮かぶ

 

腫瘍により気管支が閉塞しかけている患者さん

痛みと呼吸困難が毎日のようにあり、苦しんでいました

 

ともにモルヒネが効果的ということはわかっています

しかし病状が進行してもある一定以上のくすりの増量には同意されませんでした

 

症状はつよい

くすりの効果は自覚されている

 

このふたつから考えられる結論は、「モルヒネの増量」でした

 

しかし頑ななまでに今のままでいいですと言われます

 

ふたつの間にいったい何があるんだろう?

疑問でした

 

ご本人に尋ねても「今はこのままでいいです」の繰り返しです

 

過去にいちどだけ呼吸困難が強くなりくすりを増やしたことがありました

そのときに体がだるくなる、眠気がつよくなる、と、もとの量にもどすことを希望されました

 

今回もそれが理由だろうと考えていました

何度増やすことを提案してもいっしょの返事です

 

ある日気分がよさそうな時を選んでもういちどお話を聞きました

モルヒネがよく効くことは分かっています

「眠くなったり、体がしんどくなるのでお薬を増やすことを躊躇されているのですか?」

しばらくどのように答えようかと考えられているようです

 

「くすりを飲むと楽になることはよくわかっています。でもくすりが増えるとしだいに効かなくなるのではないかということがとても心配で我慢していました」

 

これがこの方の“ミッシングリンク”だったようです

(それほど大げさなものではないのかもしれませんが…)

 

その後モルヒネの説明をきちんとさせていただき、よく考えてみますとの返事をいただきました

 

 

ミッシングリンクとは「連続性が期待されている事象に対して、非連続性が観察される場合、その間隙を指す」と述べられています

生物学の用語でした

しかし私の好きなミステリの世界でもよく出てきます

「失われた連環」「見えないつながり」などとも言われるようです

 

患者さんに正面から向き合うことで医療での“ミッシングリンク”が明らかになることをこれまでも時々経験していました

 

 

そのために、ゆとりを持って仕事をしたいと思う毎日です

私の大学の大先輩であり、前理事長のW先生がまとめられた冊子をいただきました!

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「3つの輪 誕生とその後」と題された冊子です

先生が記された「発刊によせて」から抜粋いたします

 

“3つの輪「健康の輪」「助け合いの輪」「世直しの輪」が神戸医療生協の基本理念として25周年記念集会(1986年)で提案、承認されてから約30年を経過しました。

 

 この間の、数多くの実践・教訓を総括し、更なる発展をめざし『3つの輪 誕生とその後』を発刊しました。

 

 この小冊子が3つの輪の理解、組合員の健康増進、更なる民主的医療運動の発展に、少しでも役立つことを願っております。”

 

・神戸医療生協の歴史と3つの輪

・先生が地域でお話された健康診断についての内容

・万感の思いをこめたI病院(現クリニック)のこと

病院の歌も掲載されています

・先生の歩まれた道

など、貴重な内容がたくさんつまっています

 

草創期から発展期にむかう過程を先頭にたって奮闘してこられた先生ならではの内容です

 

法人にとっても大切な資料です

 

 

「3つの輪」は私たちの緩和ケア病棟での医療実践の根底にも流れている理念です

 

 

先生が実践してこられ、今後の発展を願っておられることを私たちはしっかりと受け止め、厳しい医療・福祉の情勢のもとでもさらに発展させるため、また次世代に引き継ぐためにも教訓を糧にしながら頑張る決意です

 

先生、今後もお体に気を付けて、引き続き私たちを見守っていただけることを願っております

ありがとうございました

 

往診をしていると思わぬことに気づかされます

2週間にいちど訪問させていただいていた高齢の女性

伺う日がきまっているのでいつもお化粧をして迎えていただいていました

 

ある日のこといつものように訪ねていくと…

髪の毛がぼさぼさ、きれいな唇には紅をささず…

 

明らかに調子が悪いことが見て取れました

病院で検査を受けていただくと、肺炎になっていました

 

これほどはっきりとした変化でなく、「何かいつもとちがうんだけど…」という場面がたまにあります

そのような変化はまず看護師さんが先に気づいてくれます

 

女性の場合にはお化粧の状態でわかっても、男性のときにはわかりにくいこともあります

ちょっとした変化に注意です

 

入院中の患者さん

痛みが強くなって入院してこられました

薬の効果がみられ、少し症状の改善がみられました

 

患者さん、ご家族と話をしました

症状は薬でよくなっていますが、病気は徐々に進んできています

よくない話だけをたくさんしてもつらい気持ちが増えるだけなので、同時にいいお話もします

「入院の前とくらべると痛みはましになっていますね。症状が軽くなってできることが見えてきたのじゃないでしょうか。してみたいことはありますか?」

 

患者さんはご家族と顔を見合わせて少し考えています

 

「少しでもいいので外に出てみたい」

「家族とランチにも行きたいな」

 

ご家族はそれを聞いて

「表情が明るくなったね」

「前向きになった」

 

患者さんは少し遠慮ぎみに言葉を続けます

「今まで治療のために半年ほど外には出ていませんでした。できれば髪結いに行きたいです」

 

“髪結い”!

なんと古風な

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(ウィキペディアより)

 

喜んで送り出しましょう

調子のいい日を選んでぜひ行ってきてください

幸いにも私たちの病院は下町のど真ん中

まわりにお店はたくさんあります

 

男の私には気付けなかったご要望でした

 

調子がいいということは間違いなく外見にも表れるものなのですね