今年も新春のつどいが開催されました

このたびの会場は明石駅前でした

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会場の窓からは

駅舎と明石城が望めます

 

 

オープニングは

ジャズの演奏から

♪シェルプールの雨傘♪で心が癒されます

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照明が変化すると

また趣きも変わります

 

 

続いて記念講演です

関西学院大学教授の冨田宏治先生

テーマは“憲法が生きる市民社会へ”

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最新の情報と具体的なデータをもとに

 

わかりやすいお話

参加者はみなさん満足されたようです

がんばる勇気をいただきました

 

 

ちなみに参加は300人ほどでした!!

 

 

前後しますが

私は開会のあいさつをさせていただきました

 

以下に若干の改変をおこなって掲載します

 

 

★昨年はたくさんのことがありすぎて振り返ることもたいへんです

とくに重要なのは、沖縄の知事選挙と憲法の改悪を許さない取り組みで大きな成果が見られたことです

そのことにまずは確信をもちたいと思います

今年はさらに正念場を迎えることになります

 

★私たちは政治団体ではありませんが、国民にとって誤った政治に対してはっきりとおかしい、反対であると言わなければならないでしょう

大切にしたいのは世代を超えて平和に暮らす世の中を実現すること

その前提があってはじめて健康を考えることもできますし、安心できるまちづくりも可能となります

 

★大学の3年生のときでした

ある人から誘われて広島・長崎の原水禁世界大会に参加しました

それ以降何度か訪れています

このときの取り組みがあって

今に至っています

 

★“人生はチョコレートの箱のようなもの、開けてみるまで中身はわからない”

という言葉があります

本当にそのとおりだと思いました

医師として働き、患者さんやご家族と接し、院所のスタッフとともに過ごすなかで、平和について考えることがさらに増えてきました

医療生協の存在意義も少しずつ理解しはじめました

 

★特に若い世代にふたつのことをお伝えします

  • 平和をめざすこと、立場がどうであれそれは私の「良心」に従ってのことです

医療者としてよりも先に人として大切なことだと思っています

  • その上で、医療に携わる者の「役割」として、平和を求める運動が医療や介護にとってなくてはならないものだと考えています

 

 

★今年は私たちの「2025年にむけての構想」を策定し、実践に踏み出す年になります

 

機関誌「三つの輪」の年頭のあいさつに少し書いたことと関連したお話をします

議論の参考になればありがたいです

 

健康の格差を縮小するためのWHOの勧告というものがあります

ひとつは、「日常生活の環境条件の改善」

―――生活習慣だけではなく生活環境を変えようというものです

ふたつ目に、「力、お金、資源の分配の不平等への対処」

―――累進課税や社会保障の機能を強めようということ

三つ目にはそれを評価しようというものです

 

とくに一つ目の課題は私にとっては目からうろこが落ちる思いでした

「生活の環境をかえることで、そこに暮らすだけで健康寿命が延びるまちづくりをしよう」というものです

そして「私たちのつながりが長生きの秘訣である」とも言われています

 

ふたつめの課題は、「消費税10%への引き上げ」が10月から行われようとしている問題です

ある人は「(消費増税は)栄養失調の子どもに絶食を強いるようなものだ」と述べられたそうです

「ポイント還元」などの言葉が出ていますが、現金かカードかで税率が異なることになるようで、資料によれば大手のスーパーで買うのか、小売店で買うのか、コンビニで買うのかによっても違いが出てくるとも言われております

私たちの暮らしを直撃し、神戸医療生協の経営にも大きな影響をおよぼすことになります

たいへんな不平等税制になります

 

これらのことも意識しながら話し合いをもっていただければ幸いです

 

★今年は例年になく重要な年になるでしょう

試練はたくさんありますが、協同の力で乗り越えていきましょう

 

ことしもよろしくお願いいたします

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「いぬのきもち」というメジャーな雑誌に

私たちの緩和ケア病棟のことが載りました

 

2月号です

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☞右側の方の雑誌です

緩和ケア病棟での

条件付きでのペット(犬に限りますが)の面会

についての記事です

短い文章ですが

機会があればご覧いただくと

有難いです

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昨年1年間はたくさんの方々に支えられてきました

ほんとうに有難うございました

今年も一層頑張っていきたいと思っています

 

 

さて

今年の正月休みは

毎日出勤でした

 

年末から年初にかけて

旅立たれた方々のお見送りをさせていただきました

 

 

「正月をいっしょに迎えましょう」と

話していた患者さんたち

 

年が明けるのを待たずに

また

正月を迎えられてから

旅立たれました

 

…ご冥福をお祈りいたします

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これは

病院の屋上からの

日の出の瞬間です

 

緩和ケア病棟の夜勤の看護師さんが

撮影しました

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お部屋から初日の出を

拝まれています

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ある患者さんは

ベランダから…

 

 

寒さは例年と一緒でしたが

空はよく晴れていました

 

よく眠れたそうです

初夢は見られたのでしょうか

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クリスマスを数日後に控えた土曜日の午後

4年目をむかえた病棟のクリスマス会が開催されました

 

何日も前から準備を重ねてきたスタッフたち

心待ちにされていた患者さんたち

 

ベッドでの参加が多かったので

2部にわかれて行われました

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案内状です

 

まず

私のいつもの余興

 

その後にフルートの素敵な演奏会

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みなさん手をたたきながら…

口ずさむ方もいました

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アンコールがあり

終わってからも

カラオケ大好きな患者さんの

独演会が…

“王将”です

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それぞれの記念撮影があり

ボランティアさん手作りのデザートあり

 

いつまでも余韻に浸れる集まりとなったことでしょう

 

患者さんとご家族の

いつもとはちがう笑顔が見られたことで

とってもほんわかとした気持ちになりました

 

 

以下は各病棟のクリスマスツリーです

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回復期リハビリ病棟です

時々、この横にある椅子に患者さんが座られています

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3階病棟

イルミネーションがまたたいてきれいでした

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4階病棟

こちらは雪景色です

 

そしてわたしたちの

緩和ケア病棟のツリー

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それぞれの病棟ごとに特徴がみられました

 

 

「緩和ケア」という雑誌があります

毎回関心の高い特集がされていて、とても勉強になっています

その雑誌の増刊号で「緩和ケアの魔法の言葉」が発行されています

なるほどなあーと思われる言葉がたくさん載せられています

 

このたび患者さんやご家族から私が勇気づけられた言葉のいくつかをご紹介します

お見送りをさせていただいたとき、言葉をかけていただき、「あ~よかったな」と気持ちが和むことがあります

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「ここに入院できてよかったです」

苦痛の緩和が十分にできず毎日悩むことがありました

先輩方に相談しても、患者さんすべてに共通することはないのだと思い知らされることもありました

さいごには鎮静のもと、旅立たれた患者さんも少なくありません

そんなとき、ご家族からの一言で救われた気持ちになりました

どのような場面でもあいさつとして話される言葉かもしれませんが、私にとってはほっとする一言でした

 

「こんな病院がもっとあればいいのにね」

患者さんといっしょに帰っていかれるとき、娘さんが私のそばにこられて、そっと耳打ちされました

思わず頭を下げました

不意打ちの言葉でしたが、とてもうれしかったことを覚えています

 

「こんどは私がお世話になります」

そのまま受け取るとなんと怖い言葉かと思います

でも実際には

お亡くなりになった患者さんのご家族、親類、友人が入院してこられることがけっして少なくありません

面談のときにも、「あの人の友達でした」とか「親族です」との話が時々出てきます

選んでいただけてとてもありがたいです

しかし現実はホスピスをもっと自由に選択ができるという医療状況ではありません

市内の限られたベッド数を考えると、私たちの緩和ケア病棟に来られる確率が高いのは確かなことでしょう

面談まで、入院まで長く待っていただかなければいけないことに矛盾を感じています

 

☆家族会に参加された息子さん

入院中はケアの方針をめぐって毎日のように話し合ってきました

さいごの時にもわだかまりがあるような表情をして帰っていかれたことが強く心に残っていました

1年ほどたった家族会(遺族会)にやってこられました

穏やかな表情で、大切なご家族のことを話されていました

参加していただけたこと

とてもうれしく思っています

 

「こんどはボランティアでかかわりたいです」

入院中ずっとご主人に付き添われていた奥様

お元気そうでした

「今は毎日いろんなところにでかけて、友達といっぱい美味しいものを食べて充実しています」

「こんど時間のあるときに、ボランティアをさせてもらいたいなあと考えてます」

ぜひお願いしたいのですが、お忙しそうなのでまだ声をかけることができていません

 

「生意気なことを言ってすみませんでした ありがとうございました」

さいごの時をどのように迎えていただくか、ご家族と相談をしました

「そんなこと今考えられません!」とご家族たち

たしかに酷なことを聞いてしまったなと思いながらも

これからの大切なときをどう過ごされるか

私たちと患者さん、ご家族のみなさんがいっしょに

共有できればと

考えました

――時間をかけないといけないなあ

と思いつつ

その後も何度かご家族とはお話をさせていただく機会をもちました

患者さんへの想いがつよく

私たちとしっくりいかないと感じる瞬間もありました

 

いよいよのときを迎えられ

みなさん交代で、ときにはたくさんの方が

そばに付き添われ

お声をかけたり

手を握ったり

されました

 

旅立ちのときに

娘さんが私に告げられた一言でした

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私のほうこそ色々と学ぶことが多く

「ありがとうございました」

とやっとのことでお返事ができました

 

 

緩和ケア病棟では

多くの方はよくなって退院されることがありません

 

悲しみや後悔

様々な気持ちが渦巻いています

 

私たちもいっしょに過ごしたひとりとして

感じることがたくさんあります

しかし医療に携わる者としては

感情の波に容易く流されることは

よくないとも思います

 

そんな矛盾のなか

お見送りをしたあと

空虚な気持ちがまとわりつくこともありました

 

このようなとき

ご家族の一言で

霧が晴れるように

心が一変することを

なんどか経験しています

 

そう

ちょうど

“魔法の言葉”

のようです

 

だから今まで

続けてこれたのでしょうか

 

 

こころが渇きそうになったとき

思い出す言葉の数々です