先週からR病院での研修を開始しました。

これまで教科書を読んで勉強したり、日常の診療のなかでの経験だけだったのですが、実際に緩和ケア病棟での医療・看護を目の当たりにして、まったくこれまでとは異なる世界に圧倒されました。

それまでは何気なく読み過ごしていた「緩和ケアとは、生命を脅かす疾患による問題に直面している患者とその家族に対して、痛みやその他の身体的問題、心理社会的問題、スピリチュアルな問題を早期に発見し、的確なアセスメントと対処(治療・処置)を行うことによって、苦しみを予防し、和らげることで、QOLを改善するアプローチである」というWHOの定義をじっくりとかみしめているところです。

「目標は『今日も生きていて良かった』と思える生活を送ることである」という言葉に始まる指導者のA先生の哲学の一端にも触れることができています。

「体全体をみなさい。そうすることで、患者さんにできることが必ず見つかるはず」と最初に言われ、刺激を受けました。

今後の約2か月の間にどこまで獲得できるかが私の大きな課題です。

このブログでも少しずつ書いていきたいと思います。

毎日知的刺激を受けながら……

“uproad”

“uproad”です。

いたやどクリニックの木村院長(小児科)の『カンガルーの小部屋』という素敵なブログがあります。

昨年の12月29日に私のことを載せていただいております。

http://itayado-clinic.main.jp/weblog/page/2

神戸協同病院緩和ケア病棟の開設準備のため、それまでお手伝いをしていた外来を2014年末をもって終了とさせていただきました。

患者さん、職員の皆さん、ご迷惑をおかけします。ほんとにごめんなさい。

18

終了にあたって職員の皆さんにお話をさせていただく機会がありました。

前半は緩和ケア病棟の準備状況、後半はいたやどクリニックへの私の思いを話させていただきました。

阪神淡路大震災を経験しました。火の手が迫る中、入院患者さんと避難してこられた地域の方々、職員とともに坂の上にある小学校に暗くなる前に避難しました。幸いにも建物は無事でした。

看護師さんたち、同僚の医師たちと相談して、入院患者さんのカルテの全面開示を行いました。

デイケアとショートステイの開設も経験しました。

嚥下障害をめぐって歯科との連携にも取り組みました。

たくさんの思い出があります。

いたやどクリニックが今後もその特徴を生かして発展されることを期待します。

有難うございました。

 

あけましておめでとうございます。 “uproad”です。

いよいよ緩和ケア病棟の建設(改築)が始まります。

17-01

17-02

この病棟が生まれ変わることになるのです!

そして、

私も研修にでます。

2月になると看護師さんたちとの勉強会を始めます。

入退院基準を始めとした様々な基準やシステムづくり、相談/専門外来、在宅医療との関係づくり、薬剤や各種医療器具の選定など、本格的な準備に入っていくことになります。

いよいよです。

みんな頑張りましょう!!

“uproad”です。

9月に緩和ケアのホームページを開設し、このブログを始めて4か月がたちました。

神戸協同病院では来年の開設に向けていよいよ本格的な病棟の改築に手を付けます。

振り返るとたくさんのことをみんなでやってきました。

順不同で述べます。

*医療生協の班会や地域での学習会

とくに看護師さんたちの活躍が目立ちました。

*医師や看護師を始めとした医療従事者の紹介運動では一定の成果をあげることができました。たくさんの方からのご紹介ありがとうございました。

*建設のための元手となる出資金集めにはたくさんの組合員や職員の協力があり、期待の大きさを実感しました。

*組合員と職員で構成した「緩和ケア病棟を実現させる会」と病院職員の「緩和ケアプロジェクト」:ともに推進の力となっています。

いくつかの病院見学も行いました。

*2回の市民講座にはたくさんの参加があり(合わせて500人以上!!の参加)、関心の高さを感じ、頑張らねばとの決意を新たにしました。

*看護師さんたちはいちはやく研修に出かけ、イメージが鮮明になったことでしょう

来年からは私も研修に出ます。

*病院では緩和ケアカンファレンスを3回行い、様々な職種が参加、とくに若手職員の参加や発言には勇気づけられました。

*いくつかの職種では独自の勉強会を持ちました。

リハビリテーション科では全員参加でグループ討議が行われました。

薬局では私も参加して1冊の本をテキストにして月2回のペースで学習会をもち、理解を深め、今後採用していく薬剤についての検討を始めています。この学習会には院内だけでなく調剤薬局からの参加もありました。来年1月、「鎮静」の学習で最後を締めくくり、新年会を持つ予定です。

ソーシャルワーカーや栄養士さんたちも他の病院からの情報を得ながら、自分たちの役割を検討しています。

2月からは看護師さんたちとの勉強会を始めます。

*以前から続けられていたI先生を中心とした勉強会も不定期ながら食事会と合わせて継続されました。

*病院外での勉強会やカンファレンスの案内があれば、できる限り参加して、進んだところの成果に学ぼうと努力をしています。

*私たちの緩和ケア病棟の「3つのコンセプト」「入退院基準」を提案しました。

現在も案として意見を求めています。

 

その他まだまだ書ききれないことがたくさんあります。

「みんなよくここまで頑張ったな!」というのが私の率直な感想です。

 

来年は一層力を入れながら満足のいくものを作っていきたいと決意をしています。

 

ブログも頑張って継続します!!!

image01

第2回緩和ケア市民講座が開催されました!

12月14日に第2回の市民講座をハーバーランドで開催しました。

講師は関本クリニックの関本雅子先生。

寒い中にもかかわらず120人余りの方々に参加していただき、多くの人から「よかった」「勉強になりました」との声がよせられています。

関本先生、有難うございました。

20121214kanwa01

がんをめぐる日本の状況からはじまり、兵庫県の現状、ホスピス・緩和ケアの方針、在宅ターミナルケアをめぐる最近の動き、医療用麻薬にいたる様々なテーマについてわかりやすくお話いただきました。

地域の組合員にとっても職員にとっても勉強になったのではないでしょうか。

「その人が大切にしているものを、最後まで守り抜くこと」

関本先生の後輩のホスピス医で50代の若さで亡くなられた方がホスピスの仕事について話された言葉です。

先生は心に響いた言葉としてご紹介されました。

参加者みんなの心にも響いたのではないでしょうか。

私は「先生がなぜ病院のホスピスから在宅緩和ケアの道に進まれたのか、その理由を教えてください」「在宅療養が困難な事例は?」の2点を質問させていただき、丁寧に答えていただきました。

私は個人的な事情から「在宅での終末期ケア」について考えることがあり、その時に次の文章に出会いました。

◆在宅ホスピスの条件……質の高い終末期ケアの4つの条件

①本人や家族の明確な意思表示があること

②ケアを支える介護力や周りの人のサポートを引き出すこと

③十分な医学的ケア

身体的な痛み、社会的な痛み、心理的な痛み、スピリチュアルな痛みを緩和すること

④以上の3つを結び付けるケアマネジメント

(近藤克則日本福祉大学教授による)

私はこの4つに加え、⑤経済的な保障が必要と考えました。

今後緩和ケア病棟が開設され、在宅ケアとの連携がますます重要になってきます。

今回の講演に学びながら、私たちの取り組みを進めていきたいと思います。

関本先生からは、「最近本を出しました」と素敵な本をプレゼントしていただきました。

20121214kanwa02

さっそく読ませていただいています。

あらためて有難うございました。

“uproad”