このシリーズもとうとう50回目を数えます

 

今日は土曜日

午後から緊急入院がありました

外来に通院されていた患者さんが、昨日から突然のつよい腹痛

ご本人曰く「今までにない痛みです!」

検査を急いで受けてもらうと、1か月前と比べて明らかに進行しています

その対応で時間がかかり、今日楽しみにしていたドッグセラピー

ちょっとだけの参加でした

 

今日は10さいのレディーが“ふたり”

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恥ずかしがって前を向いてくれません

…すみません

お名前をうかがうのを忘れていました

おふたりとも美人です

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患者さんとの抱擁の場面!

『かわいいなあ~』

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ひとつの体から

ふたつの頭・・・ん?

 

『またきてねえ~』

名残惜しそうでした

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いつも患者さんに寄りそってくれているぬいぐるみとも

ともだちになりました

 

スタッフからも

「とっても癒される時間でした」

との感想が聞かれました

 

 

ゴールデン・レトリバーってスコットランド生まれだそうです

Wikipediaによると

「信頼できる性格」「飼い主と共に働くことを喜びとする性格」

「賢い、温和、知的、親しげ、確実」と表現される

とありました

 

私も見習わないといけません

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土曜日、日曜日と近畿圏の医学生の集まりがありました

テーマは“震災と医療”

副題は阪神淡路大震災から22年。“復興”の現在を考える

 

1日目は長田周辺の町歩き

市会議員さんからのレクチャー

阪神淡路大震災を経験した医師たちによる講演

スモールグループディスカッション

夜の交流会

と忙しい一日だったようです

 

私は2日目に大震災での経験や教訓について話をさせていただく機会がありました

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そこでの分科会で

*地震当日とその後の数日間

*避難所から仮設住宅へ→「復興」へ

*現在の大きな課題

の3つの点を中心に話しました

 

 

全体会の終わりに参加者からの感想を聞かせてもらったあと、あらためて挨拶をすることになりました

 

 

その時の話を掲載します

「医学生のみなさんが真剣に考え、話し合っていただいている姿に感謝します。

私たちの病院でも阪神大震災を知らない職員が半数をこえています。一方で『人生が変わった』という職員もいます。

二日間のお話を聞き話し合われ、これからお医者さんになっていく皆さんに対して私は三つのことを感じました。

ひとつは『ものごとを大きな視野で客観的に見る姿勢』を身に着けてほしいということです。そのためには医学・医療はもちろんのこと、政治や社会の出来事、医療制度などを勉強し、自分で考えることです。

ふたつめには『自分自身をコントロールしながら患者さんに寄り添う姿勢』を訓練してほしい。

哲学も必要です。体の一番柔らかいところにとどく感性も磨かなければなりません。そして患者さんの人生や生活、暮らす地域のことに関心を持ってください。大震災のときに1人ひとりの話を時間をかけてお聴きし、共感することが大切だと痛感しました。そのことは私が今働いているホスピスでも共通しています。

さいごに次の文章を紹介します。これは看護師である私の妻が依頼を受けて書いた文章の一部で、岩波新書“神戸発阪神大震災以後”からの抜粋です。

 

――震災の4時間後、民医連加盟の姫路医療生協から医師、看護師とともに医薬品が救急車で到着、ただちに活動を始めた。19日朝までの3日間だけでも、岡山、東京、大阪、和歌山、奈良、愛媛、富山などから約100人の支援者が医薬品、食料などを山積みして続々と駆けつけた。…(中略)…

「今医療にとってもっとも必要なのは水だ」と朝から晩まで水の確保を引き受けた医師、「小学生二人くらいなら預かって帰ります」と申し出て下さった山口の看護師さん、「必要なことなら何でもやりましょう」と大便の詰まったトイレの掃除を引き受けてくれた人もあった。「あなたたちに休んでもらうために神戸に来たのだから」と自分は睡眠時間返上でがんばり続けた人も多かった。

協同病院の活動は、このような人びとの協力、支援によって、支えられたのだ

 

 

私たちはこのような暖かい組織の中で働いているんだということも知っておいてください」

 

と締めくくりました

 

若い世代の活気ある議論の一端に参加でき元気をもらいました

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私が時々プレゼントする絵本のひとつです

 

12の贈り物”

――世界でたったひとりの大切なあなたへ――

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あなたが生まれた日

……

あなたに12の贈り物をさずけました

あなたがその贈り物を必要とする日のために

 

という書き出しではじまります

 

その贈り物とは……

「力」

「美しさ」

「勇気」

「信じる心」

「希望」

「よろこび」

「才能」

「想像力」

「敬う心」

「知恵」

「愛」

「誠実」

最高の贈り物がもうひとつ

それはあなた自身です

 

 

このように箇条書きで書いてしまうととても味気ないものになってしまうので申し訳ないのですが、患者さんと話をしているときにふと思い出すコトバたちなのです

 

 

だれもが平等にさずかっている贈り物

一つひとつを切り離してしまってはいけません

この絵本ぜんたいをぜひ読んでもらえたらと思います

 

 

陳腐な感想を書き連ねてもいけませんので

このあたりで・・・

 

 

ふたつの施設を訪問して、のこりの時間は温泉と電車での移動、街の散歩に使いました

気に入った写真を掲載しておきます

 

箱根湯本に一泊したあと、小田急のロマンスカーで新宿に向かいました

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ロマンスカー

たまたま写っている女性はまったくの無関係の方です

お許しください

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車中からきれいに富士山が望めました

 

向かう先は信州松本です

 

早朝に目覚めるとホテルの窓から日本アルプスの一部がきれいに見えました

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街の上に見えるのはきっと、雲海ではないでしょうか?

 

そのあとタクシーで駅に向います

早朝の街中は霧で視界不良です

 

途中信州大学病院のそばをとおり

運転手さんが「もうじきドクターヘリが屋上にやってきますよ」と自慢されました

残念ながらこの日はお目にかかることができません

 

昼近くには快晴となり、国宝松本城へ

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しつこいですが何枚か出します

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天守閣から見た風景

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マスコットキャラクターといっしょに

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松本から名古屋にむかう車内から見かけました

塩尻駅のプラットホームです

 

おしゃれですね

 

ホスピスを見学し、夜は温泉とアルコール、いつもは自家用車ですが今回はゆったりと電車の旅

十分休養ができました

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東京から東海道線を経由して、二日目の訪問先へ

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日野原記念ピースハウス病院です

ホームページの表紙から拝借いたしました

 

朝から雨☂

玄関について、晴れていればもっとすばらしい景色がみれたのになあというのが第一印象です

 

電話でお願いをしていた事務部長さんとお会いしました

そのあと院長先生も来られて、「何をお知りになりたいのですか?」と

 

独立型のホスピスということで、うかがいたいことを前もってメモしていましたが、その場の雰囲気での会話となってしまいました

 

22床を3人の先生方で診られており、院長先生も週に何度か当直に入っておられるとのこと

頭が下がります

 

治療のことや薬の使い方などからお話をお聞きしましたが、それよりも刺激的だったのは「考え方」や「姿勢」です

 

――入院相談の場面(事務部長さんに教えていただきました)

患者さんやご家族が何を求めているのかをじーっと聴かれている姿

患者さんにまず「今、何にお困りですか?」と質問される姿

 

――「鎮静」に関して

「鎮静」という言葉が一人歩きしているようです

ミダゾラム=鎮静と受け取るスタッフがいます

現実には痛みを和らげるためにミダゾラムを使う場面があります

 

――今後在宅にむけて

その場合に備えて最小限の薬にするように工夫をしています

最近の新しい薬(メ○○○やタ○○○など)は使っていません

 

地域の病院との連携がますます重要になっています

在宅医療への移行を考えたときに、緊急入院の受け入れをどうするかが課題です

 

――その他、院長先生の言葉から

「目標設定は医療者の立場からじゃなく、患者・家族の立場で」

「相手に直接聞くことだけでなく、思いを察する感性が大切でしょう」

「時には自分たちが行なっていることを見直してみる心構え―別のところから自分を眺めているというような心構えも持って…」

などなど

うなづきながら聞き入りました

 

 

独立型ホスピスとしての課題もあるようです

当院では緊急入院を直接緩和ケア病棟でお受けすることはまだできていませんが、急性期病棟にお願いをして(担当医は緩和ケアに従事する医師)、そこからの転科としています

また理学療法士、作業療法士、言語聴覚士などリハビリスタッフのかかわりも多く、そのことが特徴ともなっており、独立型でない有利な点をもっと生かせればと感じました

 

 

看護師長さんとも少しだけお話ができました

「夜勤は二人体制で大変ですが、看護助手さんの力を借りています」

「院長先生からは『6割でいいんだよ』と言っていただいて心強いです」

 

 

180-02以上の一つひとつの言葉ややり取りの内容・表現に関しては私個人の受け止め方や思いに修飾されており、不正確な部分があるかと思います

記載内容のすべての責任は私にあることをここにお断りしておきます

誤解のないようにお願いします

 

その後の時間は施設の中を案内していただきました

専門家がきれいな写真をとられていますのでそれをブログに転載させてもらうことを了承していただきました

以下にご紹介します

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正面から

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中庭です

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富士山が望めます

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ここは食堂

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談話室

ボランティアさんが淹れてくれたおいしいコーヒーをいただきました

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室内とそこから眺められる庭

 

感激しながら、ここでもやはり役割の違いを感じ、しかし課題には共通することもたくさんあることを認識しました