土曜日、日曜日と近畿圏の医学生の集まりがありました

テーマは“震災と医療”

副題は阪神淡路大震災から22年。“復興”の現在を考える

 

1日目は長田周辺の町歩き

市会議員さんからのレクチャー

阪神淡路大震災を経験した医師たちによる講演

スモールグループディスカッション

夜の交流会

と忙しい一日だったようです

 

私は2日目に大震災での経験や教訓について話をさせていただく機会がありました

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そこでの分科会で

*地震当日とその後の数日間

*避難所から仮設住宅へ→「復興」へ

*現在の大きな課題

の3つの点を中心に話しました

 

 

全体会の終わりに参加者からの感想を聞かせてもらったあと、あらためて挨拶をすることになりました

 

 

その時の話を掲載します

「医学生のみなさんが真剣に考え、話し合っていただいている姿に感謝します。

私たちの病院でも阪神大震災を知らない職員が半数をこえています。一方で『人生が変わった』という職員もいます。

二日間のお話を聞き話し合われ、これからお医者さんになっていく皆さんに対して私は三つのことを感じました。

ひとつは『ものごとを大きな視野で客観的に見る姿勢』を身に着けてほしいということです。そのためには医学・医療はもちろんのこと、政治や社会の出来事、医療制度などを勉強し、自分で考えることです。

ふたつめには『自分自身をコントロールしながら患者さんに寄り添う姿勢』を訓練してほしい。

哲学も必要です。体の一番柔らかいところにとどく感性も磨かなければなりません。そして患者さんの人生や生活、暮らす地域のことに関心を持ってください。大震災のときに1人ひとりの話を時間をかけてお聴きし、共感することが大切だと痛感しました。そのことは私が今働いているホスピスでも共通しています。

さいごに次の文章を紹介します。これは看護師である私の妻が依頼を受けて書いた文章の一部で、岩波新書“神戸発阪神大震災以後”からの抜粋です。

 

――震災の4時間後、民医連加盟の姫路医療生協から医師、看護師とともに医薬品が救急車で到着、ただちに活動を始めた。19日朝までの3日間だけでも、岡山、東京、大阪、和歌山、奈良、愛媛、富山などから約100人の支援者が医薬品、食料などを山積みして続々と駆けつけた。…(中略)…

「今医療にとってもっとも必要なのは水だ」と朝から晩まで水の確保を引き受けた医師、「小学生二人くらいなら預かって帰ります」と申し出て下さった山口の看護師さん、「必要なことなら何でもやりましょう」と大便の詰まったトイレの掃除を引き受けてくれた人もあった。「あなたたちに休んでもらうために神戸に来たのだから」と自分は睡眠時間返上でがんばり続けた人も多かった。

協同病院の活動は、このような人びとの協力、支援によって、支えられたのだ

 

 

私たちはこのような暖かい組織の中で働いているんだということも知っておいてください」

 

と締めくくりました

 

若い世代の活気ある議論の一端に参加でき元気をもらいました

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