――2015/12/15緩和ケア病棟症例検討会「トータルペイン」に参加して――
私の働く内科病棟では急性期から慢性期、終末期の患者様がおられ、疾患も治療も様々です。1人の看護師が多くの患者様のケアを行っており、患者様1人1人にゆっくり関わることが時には難しい場合もあります。そのような状況下でも、チームナーシングで、患者様・ご家族様の思いに沿ったより良い看護を提供できるよう努力しています。
しかし、終末期の患者様・ご家族の方に対する自分自身の関わりを振り返った際、本当にこれで良かったのか、もっと良い方法があったのではないか、患者様は入院生活を穏やかに過ごせていたのだろうか、ご家族様は安心して患者様と最期を迎えることができたのだろうか・・・と毎回のように考え、自分自身の無力さを感じ、看護の基盤を問われているように思います。
今回、緩和病棟の症例検討会に参加させていただき、他職種と協力し、チームで担う患者様・ご家族様との関わりを通し、患者の立場で考え、医療者の立場で考え、双方の苦難や希望、願いなど様々な思いを感じることができました。
苦痛と向き合い立ち向かう希望を持った患者様の強さ・存在の大きさやその患者様の心を支える御家族の大切さ、関わる医療者の役割やあり方について学ぶ機会になりました。
テーマは「トータルペイン」です。「苦痛」といっても患者様にとっては様々な苦痛があります。それぞれは引き離しては考えることは決してできません。でも、その患者様やご家族の方にとって、一番の苦痛は何か、どうすれば軽減するのか、そのためには何が必要なのか考えていきたいと思いました。その苦痛を取ることができれば、患者様はまた次の苦痛をとることを考えることができる、そのことが可能になることでQOLは向上し明日への希望を持つことができるのだなと思いました。すべての痛みは一度に取りきれないけれど、苦痛に対し患者様家族様と共に解決策を見いだそうとする過程、答えは見つからないとしても医療者の思いを行為で伝えることが信頼関係を構築し「寄り添う医療」ということにつながると思いました。緩和ケアは看護の原点だと思いました。
終末期を迎えられた患者様にとって残された時間は限られているかもしれないけれど、最期の時までその人らしく、患者様・ご家族様に希望を持って充実した日々をおくれるよう、またその希望を支えられるような看護師でありたいと思いました。
彼女はこれまで内科病棟で長く勤務されていました
ちょうど症例検討会を開催する直前に私たちの病棟の仲間となってくれました
これまでも終末期の患者さんへのケアに関してたくさんの問題意識を持ってこられており、私も注目していた看護師さんのひとりです
症例検討会が終わったあとにお願いしたところ、率直な感想を寄せていただきました
思いはひしひしと伝わってきます
ありがとうございました
これから一緒にがんばりましょう!!