緩和ケア病棟で働くときに避けて通れないテーマのひとつがセデーション(鎮静)です

 

当院での開設後のデータでは、

最初の1年間の「深い持続鎮静」の比率は26%でした

その後の半年間の比率は6%と減少していました

この結果をどう評価するかはまだ早いと考えています

 

患者さんが入院してこられて最初のお話(この場合はご家族も一緒のことが多いです)で、鎮静の説明もさせていただくことがよくあります

しかし「最悪の場合」とお断りをいれさせてもらっても、みなさん想像ができないのは当然です

病状の進展に合わせて何度かお話を繰り返させていただくことになります

 

いよいよ必要だろうと思われる時期を迎えたときに、ご本人の思い、ご家族の思いを十分にお聞きしながら、日本緩和医療学会の「鎮静のガイドライン」に沿ってスタッフ間でカンファレンスを行ないます

 

担当医として大いに悩むときです

「ほんとにこの判断でいいのだろうか?」

「死期を早めてしまうのではないだろうか?」

一方で

「患者さんの望みをかなえてあげることができれば…」

などなど

 

ある先生は『普通の亡くなり方に近づけるための治療です』と話されるそうです

(お断り:http://drpolan.cocolog-nifty.com/blog/2016/09/post-c838.htmlより引用させていただきました  ありがとうございます)

 

またWHOの見解は

『鎮痛薬を適切な量で使ったことが死を早めることになったとしても、それは過量投与によって意図的に命を絶つことと同じにはならない。適切な痛みの治療法が死を早めることになったとしたら、尊厳のある、容認できる生活状況を維持するのに必要な治療手段にさえ耐えられないほど、患者の状態が悪化していたことを意味するだけである』(WHO1990)

 

 

簡単には結論にたどり着けないのがこの分野の難しさであり、またやりがいにもつながることなのでしょう

 

 

まだまだ大いに悩むことになるでしょう

(このテーマはきっと永遠のものだと思っています)

130-01

追記:ブログもついに130回目を迎えました