医療/介護の大きな流れとして「地域包括ケアシステム」の課題があります

私たちは医療生協という特徴を生かした「つながりマップ」づくりという地域での医療生協組合員さんが主体となった活動に取り組んでいます

これは地域での医療や介護だけでなく生活全般にわたる要求や課題を盛り込んだ地図を作りこれからの取り組みに生かそうとするものです

 

その中から住民の困りごとがたくさん明らかになってきました

今後は組合員の活動に加え、事業所職員のかかわりをどう強めていくか、地域での医療や介護の資源をどのように生かすか、それらの連携をいかに強めるかに取り組むことになります

 

法人としては「虹のサポートセンター」という部門を立ち上げ、私たちが目指す地域包括ケアづくりのかなめとしての役割を果たすことが期待されています

 

以下に責任者のK氏作成の資料を掲載させていただきました

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ところでこの議論をするときに政府の説明に使われる図があります

いろんな集まりで紹介されていますが、私にとっては軽視できないものです

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(出典:平成25年3月 地域包括ケア研究会報告書より)

この一番下に述べられている「本人の選択と本人・家族の心構え」について次のような記載があります

「常に家族に見守られながら亡くなるわけではないことを、それぞれの住民が理解したうえで在宅生活を選択する必要がある」

 

この記述を見て私は違和感を覚えました

 

「すまいとすまい方」から上の部分は理解できます

しかし「本人の選択と本人・家族の心構え」とは?

 

私たち医療者は重い病気を抱えた患者さん・ご家族とお話をするとき、病気が進行しこれからの医療や生活、やっておきたいことなどを話し合います

その際にご本人やご家族の意思を最優先にさせていただくし、もし迷いがあればじっくりとお話をお聞きし、最善のことを選択していただくお手伝いをします

現場から見れば上記の「本人の選択と本人・家族の心構え」は当然のようにも思えます

 

しかしこの図はあくまでも「システム」の説明だと考えられます

「本人の選択」「心構え」はそれぞれの方の「人生観」にかかわる領域ではないでしょうか?

それを「システム」として「規定」してしまうのはあまりにも乱暴な気がしてならず、そこに違和感を覚えたのです

もし何らかの記載が必要なら「本人や家族が安心して暮らせる保障、その際の本人・家族の選択」ということになるのではないでしょうか

 

すでに多くのことが動いています

私たちは地域の医療資源のひとつとして貢献できるよう頑張りたいと思っています

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