ご高齢の患者さんの最期を看取らせていただいたあと、息子さんと話をしました
息子さんはひとこと、「老衰ですね」
――ほんとは○○がんなんだけれど・・・
その時少しだけ違和感を感じていました

 

幾日かたったある日
購入したばかりの本を読んでいたときのことです
書籍の題名は『看取りの技術』(平方眞 著)

そこには「がん患者の看取りは『老衰』を目指そう」とありました
以前に感じた違和感がふたたび湧いてきました

しかし読み進めるうちに腑に落ちることがたくさんあることに気づいたのです

平方医師は次の条件がそろったときに「老衰」と考えていいでしょうと述べられています
①  本人・家族が「十分に長生きした」と実感できている
②  穏やかに、眠るように、自然に、亡くなった
③  明らかに「この病気によって死んだ」という原因がない
④  明らかに「この臓器が特に弱くて死んだ」という原因がない、つまり「各臓器がバランスを保ったまま弱って死んだ」状態
⑤  無理に命を延ばそうとしてもほとんど効果がないか、むしろ逆効果

なるほどと思いました

患者さんの息子さんにとってみれば、きっと「老衰」のように思えたのでしょう
今もそのような経過をたどりつつある入院患者さんがいらっしゃいます

往診をしているとき、徐々に弱っていかれる患者さんの看取りをさせていただくことが少なからずあります
老人ホームで最期を迎えられるお年寄りもたくさん見てきました
みなさん穏やかなお顔をされていました

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「がんは急速に年を取り寿命を迎える病気」と平方医師は述べています
「緩和ケアをしっかり行ったうえで、患者さん・家族が理解可能でかつ納得できる説明を十分に行うことが、自然な死に近づけていくために医療者に求められるスキル」とも述べられていました

その状態を目標に・・・と言えるほどには力量がまだまだ足りていませんが、結果として「老衰と同じですね」とご家族とお話しできることがあれば、それはまたひとつの迎え方ではあるのだろうと思うようになりました

 

緩和ケアは奥が深いです

9月13日日曜日、組合員、職員260人あまりの参加で大きな成功を収めました
9/10のブログでもご紹介したように、10月、11月の2か月間、みんなで取り組む月間がはじまります
全員でスタートする意思統一のための大切な催しとなりました
ブログの内容に若干アレンジを加えたあいさつをさせていただきました
緩和ケア病棟の紹介も兼ねています
そのあとは、落語家の桂勢朝さんの「時事落語」
桂米朝さんのお弟子さんです
みんな大いに笑い、感動しました
さすがは本職です!

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テーマは「永田町歌合戦」です
中身は「企業秘密」かもしれませんのであえて触れないでおきます
でも今の政治状況を面白おかしく物まねもまじえながら、歌っていただきました
参加者のみなさんは胸のつかえがすーっと落ちたのではないでしょうか?

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そしてさいごには、どこまでが本気かわかりませんでしたが(笑)、見事な(?)南京玉すだれを披露していただきました
桂勢朝さん
ほんとうにありがとうございました
お疲れ様でした  (写真を2枚使わせていただきました)
私たちのリアクションはよかったでしょうか??
つづいて、理事の “生協亭 きよこ”さんが月間の提起を立て板に水のごとく上手に話されました
ブログの内容もふたつ紹介していただきました
メインイベントは、各支部/ブロックと事業所からの「取り組み宣言」です
それぞれ短い準備期間にもかかわらず、創意工夫をこらした宣言をしました
私たち病院は、寸劇を披露
題名は「入ってよかった 医療生協!」
若い職員が中心になって演じ切りました
長いセリフをしっかりと覚えた職員たち
脚本を準備した職員
評判はよかったと自負いたしております

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――みんなが主役、みんなで取り組む――生協を強く大きくする運動が、この秋の大きなテーマです