◆…Being with the patient

日野原重明先生の『だから医学は面白い』という本を書店で見つけて、一気に読みました。

本の帯に「医学・医療について伝えたいことはすべて書いた」とありました。

全体の感想を述べるにはもっと時間が必要です。それだけ感じるところが多い書物でした。

 

その中に―ホスピスの真髄―という一節があります。

 

日野原先生が世界で最初に近代的なホスピスをロンドン郊外に建てたシシリー・ソンダース先生に尋ねたことがあります。

「ひと言で言えば、ホスピスケアというのはどういうことですか」

 

ソンダース先生は少し考えて「Being with the patient」と答えられました。

訳すと「患者と共にあること」という意味だそうです。

 

日野原先生の文章をそのまま引用させていただきます。

…一人では死なせないで、一緒に死んであげるように、そばにずっといる。患者の言葉をよく聞き、患者の心が落ち着かない状態であれば、患者の手を握ってマッサージをする。「一人で死ぬのではなく、みんなに守られて自分は逝くんだ」という感覚を患者に持ってもらう。それがホスピスの真髄である…

 

とてもむずかしいことのような気がします。

これからさらに知識を深め、経験を積む中で、少しでも近付きたいものです。

 

だから医学はおもしろい

 

“uproad”