緩和ケア病棟を開設して約3年
この間何度か患者さんと大好きなペットの面会が実現しました
「家族同然の○○ちゃんに会いたい!」
その強い想いにお応えしてみんなで
「ペットとの面会の基準」
を作成しながら
病室で
あるいは駐車場で
会っていただきました
過去には我が家でも犬と暮らしていました
疲れて帰ってきたとき
嬉しいことがあったとき
泣きたくなった時
など
感情をそのまま受け止めてくれるペット
家族の一員として
ともに過ごした十数年間でした
寿命が尽きて
天国に召されたときには
なんとも言いあらわせない
悲しみにつつまれました
それくらい大切な仲間です
患者さんとじ~っと目を合わせる姿
しっかりと抱きしめる患者さん
顔中を舐めまわす小さな命
そのどれもが
患者さんやご家族のみでなく
私たちも癒してくれます
たくさんの写真を撮らせてもらい
そのなかでも
いちばんのものを
贈らせていただいています
病室に連れてくるときには
エレベーターで他の患者さんと出会わないような努力をしたり
ケージに入れて連れてきてもらったり
大きな犬は
駐車場で会っていただいたり
……
それぞれの工夫をしてきました
会える曜日や時間を限定して
感染対策に気を付けること
イヌはいいけど、ネコはねえ…
まだまだ検討することはあります
緩和ケア病棟だからできることだと思います
ドッグセラピーの試みも行いました
不安いっぱいの患者さんが
精神的に落ち着かれ
はじける笑顔を見せてくれました
少し前になりますが
次の論文を目にしました
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jspm/7/1/7_1_136/_pdf/-char/ja
「わが国の緩和ケア病棟におけるペット面会やセラピードッグ受け入れへの考え方」
――2012年
最初と最後の文章を引用させていただきます
「ペットを飼育している終末期患者にとって、自分のペットはかけがえのない家族の一員である。また、ペットに限らず、動物を抱きしめることは精神的不安の軽減にもつながることから、動物介在療法の有効性が指摘されている」
「今回調査を行ったホスピス・緩和ケア病棟の多くは、ペット面会への取り組みに積極的であり、いつの時代においてもペット面会など癒しや心の温もりが重要視され続けていることを再認識した。多くの施設ではセラピードッグの訪問も希望されているが、供給面の問題などから行えていない施設が多くみられ、今後の課題と考えられた」
また「日本アニマルセラピー協会」のホームページもご紹介します
ふたたび引用です
「アニマルセラピーの歴史は古く、古代ローマ時代に負傷した兵士のリハビリに、馬を用いたアニマルセラピーが行なわれていたようです。現在では、アニマルセラピーに用いられる動物には、馬の他にイルカなどがありますが、私たちにも身近な動物である犬を用いたアニマルセラピーは、20世紀半ばから本格的に始まりました」
「施設で長期に渡り生活をされている高齢者や障がいをお持ちの方は、犬などと触れ合う事により会話や笑顔が増え、表情の変化などの改善も見られるなど、ペットによる効果が高く評価されているのです」
まさに「癒し」と「心の温もり」をもたらしてくれるペットたち
私たちの取り組みもつづきます