私たちの法人の看護師さんたちは看護研究事例発表会を毎年開催し、今年は49回目になります

抄録を読んでいたところ、ある事例が目に止まりました

診療所の看護師さんたちの実践です

 

100歳を超えた寝たきりの女性患者さんの話です

彼女はご家族がいなく独居の状態で暮らしていました

視力がほとんど低下していますが、最期まで住み慣れたご自宅で過ごしたいと望まれていたようです

 

所長医師、担当看護師をはじめ診療所のスタッフや訪問看護師さん、ヘルパーさんたちはみんな不安をかかえながらのケアを続けていました

――高齢で寝たきり、独居の患者さんを最期まで自宅で看ていくことができるのだろうか?

でもご本人の思いを叶えたい…

 

施設への入所という選択肢もありました

しかし、身体は動かすことが難しかったけれど意思表示はしっかりとされており、医療・看護・介護のそれぞれの役割の中で彼女の人生を支えていきました

 

担当した看護師さんにお話をうかがいました

「とりわけヘルパーさんの力が大きかったです」

「炊事や食事の介助で細やかな対応をされ、とても優しい声かけをされていました

そうめんを美味しそうに召し上がられていたとき、もういちど茹でましょうかと声かけをされている姿に感激しました」

「脱水になったときや熱が出た時に、私はヘルパーさんから水分の取り方を教えていただきました」

「お互いに細かな連絡をすることができ、とても助かりました」

 

一人暮らしであっても、みんなが協力し合えれば自宅で看取ることができるということをつくづく感じました と話されていました

 

 

最期のとき

「ありがとう」と言われ、念仏を唱えながら息を引き取られたそうです

 

 

一人暮らしで同居される介護者がいない方々はこれからも増えてくることでしょう

私たちはどのようなことができるのか、一人ひとりの望みを叶えるために何が求められるのか

たったひとつの事例の中にもそのヒントがあるように感じ、ブログに載せることにしました

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