4月です。

私たちのところにも新入職員がたくさん就職されました。

昨日からオリエンテーションですが、医師を始めとしたたくさんの職種がいる中で、さすが若い人たちはお互いに仲良くなるのが早いです。

夜には歓迎兼交流会があり、私もNsとの学習会を終えて駆けつけました(ほとんど終わりかけでしたが…)。

みんな元気で、これから一緒に働いていく気概がいっぱいです。

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さて、4月1日から緩和ケア病棟への入院相談受付(電話)を開始しました。

全体の流れや入院基準など必要な資料はホームページに掲載しております。

http://kobekyodo-hp.jp/kanwacare/hospitalization.html

 

さっそく待ちかねたように相談の電話があったようです。

外来は4月13日から週2回で始める予定です。

 

気持ちが引き締まります!

“uproad”

彼女はある大病院で抗がん剤治療を受けていました。

あるとき主治医から「薬の副作用がつよく、効果も見られないので、治療はこれ以上は無理です」と言われました。

しかし納得ができず、まだ治療をあきらめるわけにはいきません。

 

私は相談をうけ、セカンドオピニオン外来受診をお勧めしました。

その後彼女は主治医から別の病院を紹介され、そこで数か月治療を継続することになりました。

病気は薬の効果以上に進行し、そこでも「これ以上の治療は難しい。あとは緩和ケアです」と告げられました。

 

再度相談です。

患者さん:これまでの治療は無駄だったということなのでしょうか?

私:今まで頑張れたということは治療の成果だったと思いますよ。決して努力は無駄だったとは思いません。

 

いずれは入院が必要だろうと予測していたところ、ある日訪問看護師さんから「痛みと食欲低下が続き、入院を望まれています。先生にはなかなか言い出せなかったようです」と報告をうけました。

「なんでも話してもらえていると思っていたけど、やはり遠慮があったのかなあ。入院してもらいましょう」

 

入院後薬の調整を行うとともに、話をじっくりと聴くことができました。

「大きな病院で2度も『治療法がない』と言われショックでした」

「痛みが続き、不安で食事ものどを通らなかったのです」

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入院され安心したのか痛みも和らぎ、食欲も出てきました。

桜が咲けば花見に行きたいねという希望も出されています。

 

医療者の話す言葉一つひとつの大切さを痛感しました。

1月、2月と緩和ケア病棟の研修に行っており、毎日が新鮮な出来事にあふれていたためブログの更新をそのままにしてしまいました(言い訳です)。

 

病棟の改修も徐々に進み、あと3か月たらずでオープンというところまでこぎつけました。

一方ソフト面での準備がままならず、大急ぎで様々な動きを作っています。

あせっております。

しかし、昨年までの書物上での知識だけの理解ではなく、実際の体験を通じての準備なので先の見通しもしやすくなっています。

 

この間、いろんなことがありました。

新春のつどいで組合員さんたちに進捗状況の報告

職員の症例検討会

ボランティア講座(第二回)

看護師さんたちとの学習会の開始(月2回)

緩和ケアシンポジウムと日本死の臨床研究会近畿地方会への参加

CVポートの研修会への参加

H病院の薬局長との懇談(採用薬の検討のため)

などなど…

なかでも看護師さんたちとの学習会はいろいろと工夫をしながら進めてきました。

 

その間にもいくつかの病院から、また患者さんからの問い合わせもあります。

4月からの電話相談、外来の開始にむけて準備を急いでいます。

 

4月、5月には外部の先生を招いての職員むけの特別学習会を計画しています。

「在宅緩和ケアと薬の使い方」

「せん妄への対応」

「緩和ケアにたずさわる医療者の姿勢」

というテーマです。

いずれの講師の先生も積極的になっていただいており、大変ありがたいです。

 

今後も時間を見つけてはブログの更新を行ってまいります。

病院の若い職員からの感想文が届きました。

ご本人の許可ももらっているので、ここに掲載いたします。

先日、病院内で症例検討会が開催されました。医師、看護師、セラピスト、MSWより報告。これらの職種に加え、栄養士や事務職員、ケアワーカー等も参加して、一つの事例について感じたことや疑問について意見交換をしました。

癌という病気がどういうものかということから、終末期の患者様に対して病棟看護師がどのように関わってきたか、緩和ケアにおけるリハビリの関わり、自宅退院されるときのMSWの関わり…いろいろな視点から患者様をみて、振り返ることができたと思います。

様々な意見交換がされる中で、私は外来でずっと関わり続けてきた看護師の言葉が心に残りました。

『患者様がどのように死に向き合うか。向き合えたそのときに患者様の本当の思いが聴けるのではないだろうか』

患者様が死に向き合うこと。それは患者様自身がこれから先、どのように過ごしていきたいと思っているかを知るためにとても大切なことだと思います。そのためには患者様自身が病気を知ること、これまでの患者様の生きてこられた過程を私たちが知ること。そのために患者様や家族と私たちが心を向かい合わせ、たくさんお話をすること、そしてそれを関わるみんなで共有することが大切だと思いました。

患者様一人ひとり異なった「緩和ケア」があると思います。それにプラスして「神戸協同病院らしい緩和ケア」を実践できるように、これからも症例検討等を通して職員全員で考えていきたいと思います。

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真剣に受け止めてもらえてありがたいです。

大切な意見として参考にしていきたいと思います。

 

“uproad”

緩和ケア病棟開設にむけての取り組みの一環として、数か月ごとに開いている症例検討会も4回目を迎えました。

40人以上の職員が参加しました。

職種も多彩です。

今回は「長い闘病生活の末に病院で亡くなられた患者さん」の事例です。

医師、看護師、理学療法士、医療ソーシャルワーカーからの報告を受けたあと、参加者で討論しました。

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感想文を読ませてもらいました。

みんな真剣に考えてくれていることに感動しました。

 

「患者さんの本当の思いは?」

「死を受け入れることとは?」

「家族はどんな思いを持っていたのだろう?」

「自分たちのかかわり方はこれでよかったのだろうか?」

「緩和ケアの目標は?」

「これ以上することがない、ではなく、きっとすることはあるはずだ」

………など

 

クエスチョンマークがいっぱいです。

でも参加者はこれからできる緩和ケア病棟へのイメージが深まってきたのではないでしょうか。

 

私はまだ研修中です。

来月からはさらに次の看護師さんが研修にでます。

わたしたちの力は多くの職員でつくるチームです。

医師、看護師、薬剤師、栄養士、リハセラピスト、MSW、歯科衛生士、臨床心理士、介護士、事務職員、ボランティア などなど

たくさんの現場を見て、たくさんのことを吸収し、期待に応えられるような病棟を作っていきたいと決意を新たにしています!

 

“uproad”