ふたつめのお手紙を掲載します
B様のご家族の皆様へ
拝啓
花曇りの候 皆様いかがお過ごしでいらっしゃいますか。
私達は今もB様が入院されていた時の事を思い出します。
苺が大好きで
娘様や妹様が持参された宝石のような苺を
一粒一粒大切そうに味わっていらっしゃいました。
「今度娘に会ったら 苺が美味しかったと伝えて下さい。急がなくてもええよ」
最初に苺を持参された際は
娘様にて
むせないように潰してお口に運ばれた苺を味わって居られ
娘様が帰られた後でそのように言われました。
○月後半では
娘様ご持参の苺を
フォークでカットして一口ずつ介助すると
ゆっくり噛んで味わっていらっしゃいました。
一パック召し上がられた時のB様の満足された表情が忘れられません。
お誕生日にはりんごが食べたいと言われ
娘様にてすりおろされたりんごを
美味しそうに召し上がっていらっしゃったのですね。
お二人の娘様ご一家が集われ
素敵な笑顔を見せて下さいました。
撮影させていただいた写真の皆様の笑顔に
スタッフ一同癒されました。
「声が出るようになって嬉しいです。ありがとう」
「お風呂がとても気持ち良かった」
「看護師さん昨日はゆっくり休めましたか」
「ハンドクリームと指輪を持ってきてもらえるよう娘に伝えてもらえませんか」
…
発声できるようになり
B様は沢山お喋りをして下さいました。
一言一言ゆっくりお伝えされました。
私達にとって
B様との触れ合いのひと時は
とても楽しく 幸せな
そして大切な時間でした。
B様からはいつも何か温かいものが
言葉なくても伝わってくるように感じ
B様にお会い出来る事を私達は毎日
とても楽しみにしていました。
ご家族の皆様の献身的な愛情に支えられたからこそ
B様は旅立ちの時が訪れても
穏やかに 優しく
B様らしく過ごされていらっしゃったのだと思います。
B様の人生の旅立ちという時間を共に過ごさせていただいた事は
私達にとって
とても大切な思い出となっております。
ご家族の皆様にとりましても
B様の思い出がこれからも大きな支えとなりますよう
お祈りしています。
季節の変わり目 体調を崩しやすい時候です。
皆様どうぞお身体ご自愛下さい。
敬具
緩和ケア病棟スタッフ一同
看護師○○
それぞれのレターに対して
たくさんのご家族からお返事をいただきました
様々な心の変化や生活の様子など
書かれています
いただいたお返事にはいつも
感謝しています
この病棟にかかわることができて
幸せを感じるひと時です