ずいぶん前から私の手帳に一枚のメモがはさまれています

手帳を更新するたびにメモもいっしょに引っ越しします

 

そこにはつぎのようなことが記されていました

 

こんな「かかりつけのお医者さん」が近所にいたとしたら、どんなに心丈夫だろう。

 勉強家で、最新の医学情報を身につけている。患者の話をていねいに聞き、レベルの高い診療をし、病状や治療内容についてわかりやすく説明してくれる。専門外の病気の疑いがあれば、くわしい紹介状を書いて専門家にすばやく連絡をとってくれる。紹介先の医師たちの態度から察すると、わが家庭医は医師からも評価が高いようで頼もしい。

 健康教育や健康管理にも熱意を持っている。人生の最後を家族のそばで過ごしたいと望む。末期がんの人や寝たきりのお年寄り、その家族を、往診や訪問看護援助によって支えてもくれる……。

 

いつ頃のものなのか、なにに載っていたのかも覚えていません

刺激的な文章で

忘れないようにいつも持ち歩いていました

 

私はこの中の9割以上はきっとできていないと思います

ほとんどできていないでしょう

 

・最新の医学情報……英語は昔から苦手で最新の医学知識からは遅れをとっています

・レベルの高い診療……なんてとっても無理だと思っています

・わかりやすい説明……努力はしているつもりなのですが通じているでしょう

・専門家にすばやく紹介……見落としはきっとあるのじゃないでしょうか

・紹介先の医師からの評価……聞いたことはありません

・健康教育や健康管理……以前には熱意を持っていたこともありましたが保健師さんの努力には負けます

・訪問診療は行ける範囲であれば努力しています

このように不十分さばかりが目立ちます

 

 

しかし、目標とすることはいくつになっても同じです

 

できるかぎり患者さんやご家族の傍らに居たいです

 

医師になって1年目の研修医時代、終末期を迎えた患者さんに向き合うことができなくて、ときには逃げてしまうこともありました

そのような方々に対してご迷惑をかけてきたことを反省しながら

今、緩和ケアの分野での役割を果たしていきたいと思っています

221-01