時々入院中のAさんからお話をお聞きしています

Aさんは若い頃は労働組合を作って頑張っていたそうです

そのころの話を生き生きとされます

地域の人たちで同人誌を発行され

自分史を連載されていました

私もその一部を見せていただきました

中でも入院前のAさんを知る文章があり

ご本人と奥様の了解を得てブログに掲載します

                                             

                                             

―――しあわせな生活―――

私は年とともに仕事が増えて忙しくなった。

若い頃は休みの日など、朝起きてふとんの上で、今日は何をしようかと

ぼんやり考える時もあったが、今はそんなぜいたくな時間はない。

肺がんをかかえている身には朝起きたら朝食を、昼も夜もきちんと食べ

るから私にとって食事は仕事である。

昨日吞み過ぎて朝食を抜き、昼はラーメンで済ませてもいいの

だが、それを重ねると体調が変になって苦しくなるだけである。

 土曜・日曜・祭日は碁席に行く。

若い頃は楽しみで打っていたが、今は頭の体操のためだから休めない。

雨の日も風の日も無理をしてでも行くから、これは立派な仕事である。

その代わり勝負が済んで相手の口惜しそうな顔を見ると、胸がすーとし

て気持ちも晴々するからこれほど健康に良いことはない。

まさに百薬の長である。

 もう一つ健康に良いのが児童見守り隊である。

マスク越しであっても大きな声であいさつを交わすと、のどの調子が良く

なって息切れをしなくなる。

自然にのどの体操という仕事も出来て、呼吸が楽になるからありがたい

ことである。

そして子供たちと歩くことによって、私の年相応の1日の歩行数が足り

ているのもうれしい。

 結局一応の健康と少しばかりの心配事があっても、何とか毎日をそこ

そこ暮らせて、余った時間をボランティアで過ごせたら、それをしあわせ

な生活というのではないかと今は思っています。

                                                 

                                            

今はコロナ禍の影響からまだボランティアさんたちの力を借りることができず、Aさんの囲碁のお相手探しに悩んでいます

もうひとつ、こども食堂にもたずさわっておられたとのこと

遠い目をしながらその時のことを嬉しそうに語ってくれるAさんでした

Comments are closed.

Post Navigation