訪問診療を行っている患者さんが先日101歳を迎えられました
何年間も入院されることがなく
いつうかがっても元気で過ごしています
「病院に入院しないことが秘訣なのかもしれないね」
と同行している看護師さんとは話していました
ところで
「高齢者っていったい何歳からなの?」
と疑問を持ちました
ちょうど届いた雑誌に
「高齢者の定義について」
という総説が載っています
日本老年学会、日本老年医学会がワーキンググループを立ち上げ
2017年に提言を発表しました
そこでは
「75歳以上を高齢者とし、65歳から74歳までを准高齢者とすることを提言した」
と書かれてありました
たしかに前期高齢者といわれる65歳を過ぎても
現役でがんばっている人はたくさんいます
もうひとつの疑問があります
「健康長寿と食生活の関連」
です
多くの方が、長寿につながる食生活について述べています
私もその内容のほとんど(“健康をうたった”怪しげな情報を抜きにして)を信じています
・バランスよく食べましょう
・腹七分目を守りましょう
・朝食は抜かないこと
・よく噛んで食べましょう
などなど
また
「あれはだめ、これもだめ」と禁止事項を並べるよりも
「これを食べましょう」という方法のほうが効果的
ということです
では先ほどの101歳の患者さん
聞いてみました
☆「ほんとに好き嫌いが多いんです」
「肉類はまったく食べず、野菜も嫌いです」
とご家族
好きなものばかりを食べられているようです
何が食べたいですか? と聞くと
「…うなぎ」との返事
この患者さんは心臓病などいくつかの病気をもたれていて
薬を何種類か飲んでいます
こんなことも言われました
☆「薬はお医者さんが儲けるために出しているから飲まなくてもいい」
・・・!?
だけどがんばって飲んでいただいております
つくづく人さまざまだと感じたしだいです
けっして食生活の大切さを否定するつもりはありません
ある日の緩和ケア病棟でのこと
行事食として
節分の「巻きずし」が
お昼に出ました
それまでお腹が苦しくてほとんど食事がとれなかった患者さん
おいしい、おいしいと
しっかりと味わわれていました
担当の看護師さんが感激して
栄養科まで行き
スタッフにお礼を告げられたそうです
おいしいもの
食べたいもの
がいちばん元気の源なんでしょうね