緩和ケア病棟で働いていると

目の前にいる患者さんと話をしていて

「これまでどのような生き方をされてきた方なんだろう

彼あるいは彼女が大事にされているものってなんだろう」

と思うことがよくあります

 

また

ずっと病気と闘ってこられたり

すでに覚悟をもって入院されたり

ご自分のことよりもご家族のことに心をくばったり

……

様々なお話を聞く機会が増えました

 

 

一方では

「患者さんの立場にたって」

とか

「患者さんの想いを共有して」

ということが言われているので

そのことに力と時間を費やすことが

任務なんだと意識しています

 

 

実際には難しいことばかり

中には自らの人生を話される患者さんがいらっしゃることは

まちがいありません

でも

入院してこられて

短い関係の中で

そこまで踏み込んでもいいのだろうか

と躊躇することが多くあります

 

 

話をすることを

こころよく思われない患者さんがいたり

静かにそばで座っているだけで安心され

言葉数少ないけれど

なんとなく気持ちが通じたと思える瞬間

などなど

様々です

 

そんなとき

出逢った絵本がありました

245-01

 

中山千夏さんの描かれた絵本です

 

『みえないって どんなかんじかなあ』

『きこえないって どんなかんじかなあ』

 

一生懸命ともだちのことを考えようとしています

245-02

 

 

さいごには

……そうだったのか…

と思わせられたお話でした

 

 

なにもすることがない

なにもしてあげられない

という場面に出会うことがあります

 

だけど

出発点は

「どんなかんじかなあ」

って

考えてみることも

いいのではないでしょうか