入院患者さんがお亡くなりになる時間は様々です

ときには真夜中ということも少なくありません

予測されていることもあれば、急な連絡がはいることもあります

できるだけ最期の看取りはさせていただきたいと思い、体の許す限り病院に出向くようにしているのですが、どうしても起きることが難しい日もあり、そのようなときには申し訳ないのですが当直の先生にお願いをしています

幸いといっていいのかわかりませんが、自宅は病院から自転車で7~8分のところにありますので駆けつけることはそれほど苦ではありません

深夜の街中を自転車で走っているといろんなことに気づかされます

少し不謹慎な話になるかもしれませんが感じたことを書いてみました

春の夜

どこからともなく沈丁花の香りが漂ってきます

そして、桜が咲き始めたころの雰囲気はなんともいえません

満開のときや散っていくときよりも大好きです

105-01
時には酔っぱらいのおじさんにも出会います

日中は猛暑日でも、真夜中は風が吹くと意外と涼しいものだということに気が付きました

でも暑さは苦手です

105-02

病院の屋上から花火が見えるのもこの季節のいいところです

途中に公園があるのですが、夏休みとあって中学生たちが10人ほど集まっている所に出会いました

深夜に何をしているんだろう・・・?

 

秋の夜長

好みの作家のミステリを遅くまで読んでしまい、寝付いたところに電話

一番睡眠不足になりやすい季節です

でも夜に自転車を走らせるには一番です

ときには台風の日ということもあります

そんなときには思い切って自動車ででかけます

105-03

真冬の夜はとてもつらいです

マフラーを巻いて、手袋をして、コートを着込んで

ペダルを漕ぐ足も重くなります

付き添われているご家族も大変だろうなと思いを馳せながら急ぎます

105-04

卒業して研修医として就職したころ

受け持ちの患者さんが悪くなったとき

家に帰ると心配で何日も病院に泊まり込むことがありました

そのときの初心にかえりながら… と思うのですが、いつの間にか年齢を重ねていき、20歳代のときのようなことはできなくなりました

でも気持ちだけはそのときにもどりながら、今日の早朝も自転車を走らせました

けれどあまりに急ぎすぎたため、とうとうチェーンが外れてしまい、結局は自転車を押しながら病院に到着です

仕事の帰りに修理に行かなければ……