ともに参加したスタッフからの報告です
12月8日(木)、西市民病院の主催で開催された院内外多職種交流会に参加させていただきました。
今回の交流会のテーマは「急性期治療を終えたがん患者の療養生活を病院・地域でどう支援するか」ということで、2名の先生からのご講演と、多職種によるグループディスカッションで、非常に活発な意見交換がされました。
西市民病院の院内から多職種の方が参加されていた他、地域の開業医の先生方、訪問看護の看護師さん方、ケアマネージャーの方など、多くのご参加があり、関心の高さがうかがえました。
永年緩和ケアに関わってこられたA先生のご講演では、終末期のQOLを支えるための緩和ケアの中心的課題は、患者・家族の希望をとにかく丁寧に聞き、その価値観を大切にすることであるとのお話が印象に残りました。「最期の時は家で過ごしたい」「自分でトイレに行けなくなったら入院したい」「とにかく痛みをなんとかしてほしい」など、その時々の患者さん・家族さんの希望に柔軟に対応するためには、在宅医と急性期病院、緩和ケア病棟の連携が必要になってきます。それぞれに得意・不得意分野があるので、連携して重なり合うことによって、患者さんを切れ目なく柔軟に支えることができるとのお話には、なるほどと考えさせられました。いざ連携となったときに、お互い顔と名前のわかる相手であれば、安心してお願いすることができるし、自分も責任を持った対応をする。だから、普段から積極的に「顔の見える関係」を作っておくことが大切、という点も印象に残りました。これまでも地域連携の場では「顔の見える関係」という言葉をよく耳にしていましたが、なぜそれが必要なのか、自分なりの理解が深まったと思います。
在宅医としてご活躍されているM先生のお話では、具体的な事例を交えながら、在宅での終末期医療の現状やノウハウ、課題などについてお話していただきました。実は会の前に先生にごあいさつをさせていただいた時に、「協同病院さんは希望される方は多いのですが、なかなか敷居が高くて・・・」という叱咤激励(?)をいただきました。しかし、ぎりぎりまで在宅で過ごしたいという患者さんを在宅医として支える先生のお話をお聞きし、日々悪化する病状に対面し、不安を抱えながら過ごしておられる患者さん・家族さんが、「かかりたい」と思うときにすぐにかかれる病院であることが、私たちに求められている役割なのだと改めて考えさせられました。
続いて行われたグループディスカッションでは、実際の事例をもとに、それぞれの立場からどんな支援ができるかを話し合いました。それぞれの視点から非常に活発な意見が出され、これまでの自分にはなかった新たな発見があり、事例を元に振り返りをすることの大切さを改めて感じました。在宅医の先生方や訪問看護の方、ケアマネージャーさんのお話をお伺いしていると、みなさんとてもパワフルで、患者・家族の「家にいたい」という望みがあれば、困難でもとことんまで支えるという心強さを感じました。
今回の交流会は、これまで自分たちが行ってきたことへの確信を得る場面もあり、また課題に気づかされた部分もあり、非常に多くのことを学ばせていただきました。地域からの要望に応えられるような病院であるように、この学びを持ち帰って、院内へ発信していきたいと感じました。
私もたくさん感銘を受けました
A先生の講演から
「患者さんの希望」は
・できれば病気を治したい、それが無理でもできるだけの治療を受けて生きていたい
・自分のことは自分ででき、人に負担をかけず、人の役に立つ存在でありたい
・穏やかに過ごし苦痛なく最期を迎えたい
とありました
入院相談の面談の場や、入院されている患者さん・ご家族から同様の思いをお聞きすることがあります
医療者側が忘れがちな、でもとても大切なことです
これまでも気づいたことをこのブログの場で述べさせてもらってきました
引き続き多くの出来事や感じたことなどを書いていきたいと思います