「ビルのまちにガオー・・・」は鉄人28号の懐かしい主題歌です
私たちの町には鉄人28号のオブジェがあります
でも今回の話は鉄人のことではなく、「ビルの間」から見えるものについてです
先日港の花火大会がありました
ひょっとすると私たちの病院からも見えるかもしれないと聞き、午後7時にやってきました
緩和ケア病棟の海側のベランダに出ました
すでに看護師さんや患者さんが来ています
見えました!!
ちょうどふたつのビルにはさまれたすきまに花火が見事に見えています
ベランダは少し暑い風が吹いていますが、花火があがるたびに歓声が聞こえます
――ここから見えるなら来年はもっと準備をしてみんなで・・・
ふと振り返ると患者さんと視線が合いました
――私たちには『来年』があるかもしれない
でも今夜いっしょに花火を見た患者さんには・・・
私はそっとその場を離れてしまいました
今をどう生きるか、明日はどうなっているんだろう
毎日そのようなことを考えながら療養されている患者さん
「花火きれいでしたね」と翌日の診察のときに先に声をかけてくださった患者さん
『寄り添う』と言葉で言うことは簡単でも、実践することはほんとに難しいことなのです