マンモグラフィ
当院のマンモグラフィ装置
富士フィルム社製Amulet Innovarity(トモシンセシス機能搭載)
マンモグラフィ『トモシンセシス』撮影について
トモシンセシス撮影とは・・・
通常の3D画像ではなく、CTやMRIのような約1mm間隔のスライス画像が得られます。
一度の圧迫で通常のマンモグラフィ(2D)とトモシンセシスを撮影することができるので、これまでと変わらない負担で多くの情報を得ることができます。
トモシンセシスの有用性について
トモシンセシスでは、通常のマンモグラフィで隠れていた病変を高い確率で発見することができます。
病変の位置や大きさ・形がよりわかり易くなり、質の高い診断を提供することができます。
通常マンモグラフィ検査との違い
項目 | 通常マンモグラフィ(2D) | トモシンセシス撮影(2D+3D) |
---|---|---|
撮影枚数(1回) | 1ショット(1画像) | 15ショット(15画像) |
被ばく線量 | 1mGy以下 | 2mGy以下(2D+3D) |
撮影時間(1回) | 約3秒 | 約7秒(2D+3D) |
トモシンセシス撮影の1ショットあたりの撮影線量は通常のマンモグラフィ撮影に比べはるかに低線量でおこなうため、複数枚撮影でも通常検査の2倍程度の被ばく線量に抑えられます。
(※2Dとトモシンセシス撮影を合わせても日本放射線技師会のガイドライン以下の被ばく線量です)
トモシンセシス撮影時間についても通常撮影と大きな差はなく、安心して検査を受けていただくことができます。
トモシンセシス撮影 オプション価格
組合員価格:2,000円(税別)
一般価格 :4,000円(税別)
※乳がん検診の料金にプラスして上記の料金が掛かります
トモシンセシスの撮影をご希望される方は事前にご連絡下さい
マンモグラフィ検査を受けられる方へ
撮影前の準備
上半身の衣服は全て脱いでください。
髪の長い方は後ろでひとつにまとめます。アクセサリー類、時計、メガネは外してください。
ボディパウダー、ラメ入りクリーム、制汗剤などは診断の妨げとなりますので検査当日のご使用はお控え下さい。
おしぼりで脇と乳房周りを拭いたあと、ケープを羽織って準備完了です。
撮影中
マンモグラフィ検査では乳房を圧迫板で押さえ、平たく引き伸ばします。乳房は厚みがあるため押さえ方が弱いと腫瘍があっても写し出されないことがあります。
やや強めに圧迫しますが、一定以上の圧力はかからないようになっています。また、圧迫することで乳房内の組織がつぶれてしまうことはありませんので、ご安心ください。
生理前や生理中は女性ホルモンの関係上、乳房が硬くなり痛みを強く感じることがあります。
生理開始後、7~10日頃が比較的痛みが少ないと言われています。
被曝について
乳房の大きさや乳腺密度による個人差はありますが、国際的ガイダンスレベルの目標値(3mGy)を大きく下回っています。
したがって、マンモグラフィ撮影によってがんや白血病になることはありません。
以下の事項に該当する方は予約時に必ずお申し出ください。
他の検査方法をご提案させていただきます。
・豊胸術後の方
・妊娠中もしくは妊娠の可能性がある方、授乳中の方
・植込み型心臓ペースメーカーを装着している方
・植込み型心電図(ループレコーダー) を装着している方
・植込み型除細動器(ICD)を装着している方
・脳室―腹腔シャント術(VPシャント手術)を行ている方
・ポート埋込のある方
・持続血糖計測器(リブレ等)・インスリンポンプを装着している方
マンモグラフィ検査Q&A
Q:マンモグラフィと超音波検査は、両方受けたほうがよいのでしょうか?
A:日本ではマンモグラフィによる乳がん検診が実施されていますが、乳腺の密度が濃い高濃度乳房ではしこりを見つけにくいとされています。そのため、特に40歳未満の若い女性など、乳腺の発達した人では超音波検査のほうが診断に役立つ可能性があります。超音波検査は任意での受診となり、費用も自己負担となりますが、余裕があればマンモグラフィと一緒に受けることをお勧めします。
Q:胸が小さいので、マンモグラフィを受ける時に痛いのではないかと心配です。どうすればよいでしょうか?
A:マンモグラフィでもいろいろな撮影の仕方があり、乳房の形に適した圧迫方法があるので、心配せずに受けてみてください。
Q:乳がん検診は、何歳くらいから受ければよいでしょうか?
A:日本では、40歳以上の女性に対して2年に1回のマンモグラフィによる検診が推奨されています。なお、年齢の上限は規定されていませんが、費用対効果の観点からは75歳までが妥当という報告があります。
Q:乳がん検診を受けたいのですが、生理前や生理中は止めたほうがよいですか?
A:生理前や生理中で乳房が張っていると、検査で痛みを感じたり、診断が難しい場合がありますので、乳がん検診は乳腺が柔らかくなっている生理が終わって数日してから受けるのがよいでしょう。
Q:遺伝で乳がんになる人は、卵巣がんにもなりやすいと聞きました。乳がんになったら、婦人科検診を受けたほうがよいのでしょうか?
A:遺伝による乳がん(遺伝性乳がん)であるかどうかは、遺伝子検査によってわかります。遺伝性乳がんのうち、最も多くの割合を占めているのがBRCA遺伝子に変異がある「遺伝性乳がん卵巣がん症候群(HBOC)」とよばれる乳がんです。HBOCのかたは、そうでないかたに比べて卵巣がんにもなりやすいことがわかっています。まずは、主治医に婦人科の受診について相談してみましょう。
Q:若い人はマンモグラフィよりも、超音波検査を受けたほうがよいのでしょうか? また、「若い」とは何歳くらいのことでしょうか?
A:40歳未満を若いということが多いと思います。乳腺が発達していて乳腺の密度が濃くなる若い女性では、高濃度乳房でもしこりを見つけやすい超音波検査のほうが診断に役立つ可能性があります。
Q:しこりを見つけて、病院でマンモグラフィと超音波検査を受けました。マンモグラフィと超音波検査だけで乳がんかどうかわかりますか?
A:乳がんかどうかの最終的な診断は、マンモグラフィと超音波検査のような画像診断だけでは行えません。乳房に針を刺して細胞を採取する細胞診や組織を採取する組織診(針生検)により、乳がんかどうかを判定します。
Q:マンモグラフィで放射線を浴びてからだに影響がないか心配です。将来子どもを産みたいと思っていますが、影響はないのでしょうか?
A:マンモグラフィによる放射線被ばく量は少なく、致死的な発がんリスクはきわめて低いとされています。そのため、日本の乳がん検診の対象年齢である40歳以上であれば、マンモグラフィを受ける利益のほうがリスクを十分に上回ると考えられます。ただし、妊娠中や授乳中の人は、マンモグラフィを受ける必要があるかどうか、医師とよくご相談ください。
Q:診断で「カテゴリー3」と判定されました。カテゴリー3はどのような状態でしょうか?
A:カテゴリーとは、その乳房の悪性(がん)の可能性がどの程度かを示す分類で、カテゴリー1は「異常なし」、カテゴリー2は「良性(がんではない)」、カテゴリー3は「良性、しかし悪性を否定できず」、カテゴリー4は「悪性の疑い」、カテゴリー5は「悪性」と定義されます。カテゴリー3以上の場合は、乳房に細い針を刺して細胞を採取する細胞診や、局所麻酔をして組織を採取する組織診(針生検)も考慮して、判定を行います。
Q:しこりのようなものを見つけたので、乳がん検診を受けようと思いましたが、今月は検診の予約がいっぱいとのことでした。1ヵ月以上放置しておいても大丈夫でしょうか?
A:一般的に乳がんは、1cmのしこりができるまでには何年もの時間がかかっていると考えられています。ですので、そのしこりが乳がんだったとしても、1ヵ月で急速に大きくなることはありません。ただし、なかには進行の早い乳がんもあるため、できるだけ早く乳腺専門医に診てもらうほうがよいでしょう。
Q:石灰化とは、どういうものですか?
A:石灰化とは、マンモグラフィで白い粒のように映る影で、カルシウムが沈着したものです。石灰化は良性(がんではない)でも悪性(がん)でも生じますが、小さいものがたくさん集まっている場合は悪性が疑われます。
Q:市区町村で、2年に1回乳がん検診が受けられるようですが、一般の病院やクリニックで自分で検診を受けた場合は、費用はどれくらいでしょうか?
A:日本では、40歳以上の女性に対して2年に1回のマンモグラフィによる検診が推奨されており、各市区町村で受けることができます。ご自身で検診を受ける場合の費用はこちらをご参照ください。
Q:デンスブレストとは、どういうものでしょうか?
A:特に40歳未満の若い女性に多く認められる乳腺の密度が濃い、いわゆる高濃度乳房です。高濃度乳房だと、マンモグラフィでは白く映る部分が多くなり、異常を見つけにくいことがあるため、その場合はトモシンセシス撮影の追加や超音波検査の併用をお勧めします。
Q:授乳中にがん検診を受けても大丈夫ですか?
A:授乳中でも乳がん検診は受けられます。一方で、授乳中は乳腺が発達して高濃度乳房になるため、マンモグラフィよりも超音波検査のほうが診断に役立つ可能性があります。また、超音波検査では放射線を使わないので、授乳中でも安心して受けていただけます。