ボランティアをしていただいたAさんからです
緩和ケア病棟10周年おめでとうございます。病棟開設時のコンセプト「切れ目のない医療のなかでの緩和ケア病棟」「医療生協ならではの緩和ケア」「あたたかい下町の緩和ケア病棟」を実践し続けている方々、毎日がんばっていらっしゃることと思います。
私は10年前、開設準備でボランティアの募集があったとき、少しでも役にたてればと思い応募しましたが、大事な役割を果たせるのか不安ばかりでした。それでも同じ想いの人たちと一緒に緩和ケアボランティア講座を受け、他院の緩和ケアを見学・学習したり、ミーティングを重ねたおかげで開設のスタッフに加わることができました。
活動は3~4人がチームとなり、曜日で分担して行いました。
内容は病棟の花の水替えをしたり、病室から眺められるベランダの草や花の手入れをして、気持ちよく過ごしていただけるようにしました。午後にはあたたかい飲み物と簡単な手作りお菓子をサービスさせていただいたり、患者様やご家族にホッとするひと時を過ごしていただきました。
患者様はお一人お一人状態や事情が違うので病棟のスタッフとよく相談して行いました。
時にはデイルームで組合員に講師をお願いして折り紙や絵手紙を楽しんでいただいたこともありました。また病棟が計画する季節の行事のお手伝いをしましたが、春に近くの公園に桜が咲くと車いすやベッドのままでも出かけてお花見を楽しんでいただけたことはボランティアの私にも良い思い出です。
患者様が亡くなって約半年後に開かれた家族会のお手伝いをした時に、参加された方々がこの病棟に入院して良かったと述べられるのを聴いて、私たちの緩和ケア病棟があって良かった!と実感しました。
病棟はいつも静かでゆったりしています。患者様が最期を迎えるその時まで精一杯自分らしく生き抜けるよう寄り添い援助するという重責を担うスタッフに私たちボランティアも支えられ学ばせてもらいながら活動させていただきました。
残念ながらコロナ禍で活動は中止となってしまいましたが、貴重な経験をさせていただいたことを感謝いたします。
これからも医療生協ならではの緩和ケア病棟としてあり続けていただきたいと思います。
