協同病院の緩和ケアのコンセプトの3番目に「私たちは『あたたかい下町の緩和ケア病棟』です」と書きました。

この点をめぐって様々な論議が行われており、正面から受けとめてもらえてありがたいと思っています。

下町の風景

(その1)

解説文にも述べましたが、神戸市長田区のホームページには「庶民的住宅のまち、中小企業のまちとして利便性の高い下町情緒のあふれるまちです」とあります。

阪神淡路大震災後はまちの様子は大きく変わりましたが、大きなマンションの谷間に昔からの長屋がたくさん残っています。中小企業も厳しい経営環境に置かれていますが、頑張っています。

(その2)

協同病院で研修を始めた若い医師はブログで次のように書いています。

「僕がこれから働く神戸協同病院は、神戸市長田区にある中小規模の病院です。地域に根差した医療をしています。長田区に住みだしてあまり時間がたっていませんが、長田は下町で人情味あふれる街です」

(その3)

山手に暮らす方からの声が聞こえてきました。

「私たちは下町に住んでいないから、入院はできないのかな」

大丈夫です。「下町の人の病院」ではありません。「長年、下町で医療を継続してきた病院であり、下町に存在し、そこに溶けこむ病院」ですので、安心して利用してください。

(その4)

「下町なら病院の廊下は○○番地△△丁目と名づけ、角に“お地蔵さん”をおくという案はどうですか?」という画期的な(?)意見をいただきました。

zizou

私たちの目指すのは「下町にある緩和ケア病棟」であり、「病棟が下町になろう」としているわけではありません。

貴重なご意見有難うございました。

“uproad”

緩和ケア病棟の来春開設に向けての準備のひとつとして、薬剤師さんたちと学習会を始めています。

月2回、気軽に参加できるようにと1時間だけと限定して行っています。

病院の薬剤師さんだけでなく、調剤薬局からの参加もあります。

最近出版されたばかりの「緩和治療薬の考え方、使い方」という本を分担して読んでいこうという方法をとっています。

緩和治療薬の考え方・使い方

やはり専門家だけあってつっこんだ議論が行われます。

「オピオイドスイッチングはBA(バイオアベイラビリティ)に基づくとこうなるのでは」「レスキューは内服だと1日投与量の1/6、注射だと1時間量なのはどうして・・・?」

「当院でのリリカの使い方って…」などなど。

その日に答えられないことは報告者の宿題として次回までに調べて来るようにしています。だから緊張感もあります。

今年いっぱいかけて終了できればとはりきっています。そして当院での薬を豊かにしていきます。今後の医師や看護師などの研修の成果も生かして。

“uproad”

先日仕事を終えて、兵庫緩和ケア研究会に参加しました。

同僚のI医師からのお誘いです。

少し早目に病院を出て、I医師お勧めの近くの店でサンドイッチとパンケーキを腹におさめてから会場に急ぎました(注文したものがなかなかやってこず少しイライラされられたので)。

始めて参加したのですが、すでに何と66回を数えておりました!

医師、看護師、薬剤師をはじめたくさんの職種の参加で、みなさん積極的な議論をしています。

ときには「チームとしては失敗じゃないの」などという挑戦的な熱いやりとりも…。

今回は、告知後の抑うつ状態の患者さんへの対応に様々な観点からの検討が行われ、皆さん方の議論に圧倒されました。

来年当病院でも緩和ケア病棟を開設後はより積極的に話に加わっていければなあと思います(厳しい追求に耐えられるでしょうか…?)。

病院内でもカンファレンスを行っていますが、運営の仕方も大いに参考になった2時間でした。

“uproad”

はじめまして。

神戸協同病院の “uproad” です

私たちは2015年春に緩和ケア病棟を開設する予定で、現在急ピッチで準備を進めています。

このブログでは私たちの取り組みや、緩和ケアに寄せる思いなどを綴っていきます。

一から作る緩和ケア病棟です。

医師や看護師など医療従事者のみなさん、一緒にやってみようと思われる方々からのご連絡を待っています。

神戸協同病院

“uproad”